オープンソース(オープンソースプロダクト)には、システム開発を行うためのツールであることはもちろんですが、それだけに終始してはもったいない点があります。それが、本書のコンセプトである“設計パターンや手法を学びとる”ことです。オープンソースの活きたソースコードから、設計や実装のノウハウを学びとることができるのです。
本書『ソースコードリーディングから学ぶJavaの設計と実装 ~オープンデザインのすすめ~』では、数あるオープンソースソフトウェアの中から、良質で、システムやWebアプリケーション開発でよく使われるのもの(JUnit、Struts、Eclipse、Tomcat、Spring Frameworkなど)のソースコードを取り上げ、オブジェクト指向の観点で読解します。
読解手順は、各プロダクトごとに
- ソースコードの構成
- パッケージ構成
- 主要クラス間の関係
という流れで解説していきます。よって、プロダクトに精通していない方でも、無理なく読み進めることができるでしょう。
それから、そのプロダクトのテーマに基づいて読解していきます。
最後には、読者自身が自分でソースコードを読んでいけるように、ソースコードリーディングの手法についても言及しています。
本書の活用方法としては、2つ挙げられます。
- 興味のあるオープンソースプロダクトからどんなことが読み取れるのかという観点で読み進める
- さまざまなソフトウェアの設計図が詰まったデザインブックとして読む
別の楽しみ方としては、オープンソースにはその開発者の癖や思い入れがあるので、ソースコードを読み解いていく過程で開発者の一面を垣間見ることができます。
優れたソースコードを知らなければ、優れたプログラムを書くことはできません。本書で存分にソースコードを熟読玩味してください。