“ソーシャル"化するウェブの世界~Web2.0を人間から見てみよう

いまやWebサービス百花繚乱。王者Googleが買収したYouTubeをはじめ、最近ではTwitterなど次々に新しいサービスが登場しては話題になっている。もうついていけなーい!とお嘆きのオヤジ諸兄に、一目置かれるWeb2.0の見方をお教えしよう。

Web2.0はソーシャル・ウェブに

Web2.0という言葉も使われすぎでちょっと擦り切れてきた感がある。そろそろ次のキーワードが出てきてもいいころだ。

それが「ソーシャル⁠⁠─ソシアルダンスのソシアル。つまり「社交」とか「社会性⁠⁠、⁠人と人のつながり」を意味する言葉だ。

ソーシャルというとミクシィなどのSNS(Social Network Service)を想像するかもしれないが、いまWebサービス全体がソーシャルな方向に向かっているのだ。

ウケるWebサービスには人間がいる

現在の代表的なWeb2.0系のサービスをにまとめてみよう。

ソーシャルネット(SNS)/コミュニティー提供サービス
Mixi、GREE(日⁠⁠、MySpace(米、日⁠⁠、Facebook(米)
情報発信サービス
ブログホスティングサービスLivedoor(日本⁠⁠、Blogger(米)
掲示板2ちゃんねる
コメント欄つきWebサイトAmazon、価格.com(日)
情報共有サービス
ブックマーク共有はてな(日⁠⁠、Del.icio.us(米)
写真・動画共有YouTube(米⁠⁠、Flickr(米)
ニュース共有はてな、Newsing(日⁠⁠、Digg(米)
共同作業支援サービス
WikiPukiWiki、Mediawiki
オンラインアプリケーションGoogleカレンダー、Googleワープロ・表計算(ベータ版⁠⁠、Zoho
プロジェクト管理Basecamp、Jotspot(米)
パーソナル情報検索・処理サービス
情報検索サービスGoogle、MSN、Yahoo!
メールサービスGmail、Yahoo! Mail、Hotmail
インターネット電話サービスSkype
ポータルサービスYahoo、MSN
ユーザー発信型情報提供サービス
Wikipedia、はてな、goo

たとえばブログ。かつてのウェブ日記にブログが置き換わったのは、トラックバック、コメントという他人とのつながりを付加する機能があったからに他ならない。Amazonや価格コムも、単に通販サイト、価格比較サイトというだけでは、ここまで巨大にならなかっただろう。Amazonの豊富な製品レビュー、価格コムのコメント欄はさながら商品を軸にした無数のコミュニティだ。

「はてブ」こと、はてなブックマークも、それまで個人のブラウザにあったブックマークを公開(ソーシャル化)することで、新たな価値を作り出した。他人の興味がデータベースになり、そこから自分の志向に共通する人が見つかり、その人のブックマークから自分の新たな興味の発見がある。こうしてみると、成功したすべてのサービスは必ずこういった仕掛けが施されていることがわかる。

Web2.0は人間の本性が要求したもの?

YouTubeも単なるWebで見れるビデオではなく、視聴後に意外なおすすめビデオが出てきたり、エンベッドしてブログで引用できることがキモだ。日本でも盛り上がりつつあるセカンドライフは、まさにソーシャルな世界そのものをWeb上に作り出している。

「人間は生まれながらにしてソーシャルな生き物」とはアリストテレスの有名な言葉だが、その本性に訴えるしかけが一気にWeb上に花を開かせつつあるのが、実はWeb2.0という現象を人間から見たときの側面なのである。