プログラミングをはじめてみよう

Visual BasicとC言語の特徴

Visual Basic(以下VB)もC言語もプログラミング言語です。いずれも目的はコンピュータを思い通りに動かすためのプログラムを作成することにあります。

ただし、VBはWindows OS上で動作するプログラムを作成するために、必然的にウィンドウやボタンなどのビジュアル部品を扱うことになります。VBの文法に従ってプログラマがプログラムコードを記述していくことはもちろんですが、ドラグ&ドロップでビジュアル部品を貼り付けていくだけでプログラムコードが自動で作成されるなどの、アシスト機能が用意されています。

対してC言語はWindows OS上で動作するプログラムを作成することはもちろんのこと、UNIXやMac OSなどで動作するプログラムや、TVや洗濯機などの家電の中で動作するプログラムにも利用されています。つまり、様々な利用用途があります。逆に言うと、Windows OS限定などの制限がないために、プログラマが全て細かい部分までプログラムコードを記述していく必要があります。ただし、VBと違って、プログラマが全てを管理するために根本的なプログラム作成能力が身に付くと言えます。C言語をマスターしたならば、VBなどの習得も容易でしょう。

簡潔に述べると、VBはWindows OSで動作するビジュアルプログラムを作成するのに適しており、比較的簡単にプログラムコードを作成することができます。逆に、C言語は、プログラマが行わねばならないことが多い・手間のかかる言語ですが、プログラミングの本質が理解できるのです。

プログラミングツール

VBはVisual Basic 2005というツールを使ってプログラミングを行います。このツールは、人間の言葉をコンピュータが理解できるように翻訳するコンパイラや、プログラムの間違いを発見するデバッガ、プログラムを記述していくエディタなどが統合されて連携して動作するソフトウェアです。また、VBではWindows上で動作するプログラムを作成するので、ボタンやウィンドウなどのビジュアル部品をドロップ&ドロップで張り付けるだけで、プログラムの大部分を作成できるように工夫もなされています。

図1 画面左のツールボックスから部品を画面右のフォーム(Form1)にドラグ&ドロップすれば画面が作成できる
図1 画面左のツールボックスから部品を画面右のフォーム(Form1)にドラグ&ドロップすれば画面が作成できる
図2 フォームのボタンをダブルクリックするだけでプログラムコードが自動的に作成できる
図2 フォームのボタンをダブルクリックするだけでプログラムコードが自動的に作成できる

対して、C言語にはVBのように統合されたツールももちろんありますが、先に挙げた理由から、VBのようなツールの必要性が高くありません。また、VBのようなツールが有料であることもあり、gccやgdbなどの無料のツールが良く使われます。

図3 コマンドをキーボードから入力して操作する
図3 コマンドをキーボードから入力して操作する

さてどちらを選ぶか?

それでははじめてプログラム言語を学習するのに、C言語とVBのどちらを選択すれば良いでしょうか?

とりあえず、プログラミング言語に触ってみたい、プログラムを組んでみたいというのであれば、VBが良いでしょう。大したことはできないかもしれませんが、学習したその日から動作するプログラムを作成するさえできるでしょう。

プログラムをしっかりと学習したいというのであれば、C言語がお勧めです。VBのようにドラグ&ドロップ操作でプログラムを作成することはできませんが、コンピュータがどうやって動作するのかといった本質的な部分まで理解できることでしょう。

今回発売になる、⁠これからはじめるVisual Basicの本」⁠これからはじめるC言語の本」は、従来のプログラミング言語学習本と異なり、すっきりとした見た目のスタイリッシュな書籍です。また、操作画面をふんだんに盛り込み、かつ、正しい本質的な理解を促すように、噛み砕いた丁寧な解説が特徴です。いずれの書籍も、⁠はじめての」プログラミング言語本を意識して、無理のない分量と到達点を設定しており、挫折なく最後まで読破できるように工夫がなされています。