10年目の改訂「UNIX コマンドポケットリファレンス ビギナー編」

「愛され続けて9年、ついに改訂」

ポケットリファレンスシリーズの定番アイテムである『UNIXコマンドポケットリファレンス ビギナー編⁠⁠。初版は平成11年の発行から、おかげさまで第2版8刷まで刷りを重ねました。今回は改訂第3版です!

何が変わったのか?

以前の[改訂新版]は、対象OSをRedHat8、FreeBSD4.6.2、Solaris8として執筆・製作しましたが、今回の[改訂第3版]は現在のメジャーバージョンであるRedHat Enterprise Linux5、FreeBSD6.2、Solaris10で動作検証を行い、各OSで加えられた新機能についても解説を加えました。製品画面や、コマンド実行結果も全て撮り・作り直し、いい部分を残しながらアップデートしました。

改訂作業裏話

今回問題になったのは「内容の古さ」でした。出版当時はUNIXの人気があったとはいえ、まだOSのインストールが面倒だったり、デスクトップ環境が既存のOSに負けていたりしましたが、今は無償なのに製品版に劣らないほどキレイですし、各種周辺機器への接続もとても楽になりました。まずはOSの手配から仕事を始めたのですが、当たり前ですがRedHatは製品体系が大きく変化しているし、FreeBSDも4から6へ、Solarisも8から10へと大幅にバージョンアップしています。著者との内容のすり合わせもここから始めました。なかなか困難でしたが、レッドハット⁠株⁠様のご協力もあり、改訂作業もだんだんスムーズになってきました。実際に仕事をしてみると、コマンドの出力結果が全部違います。特に日本語の出力結果が異なるのです。逆に考えるとやはりLinux・UNIXが普及したおかげなのですが、月日の経過を思いました。皆さんが使ってきた成果なんですね。

変わらない技術は強い!

[初版]を読んでみると、DVDドライブなどの光学デバイスの説明が欠けていたり、時代を感じます。実は、本書で掲載しているUNIXコマンドのほとんどは初版のころと変わっていません。構成内容も、UNIXの使い方の基礎知識を学んでから、lsやmvなど各コマンドを解説するというスタイルも同じです。コマンドのオプション(-al、-pなど)は新機能が増えた分だけくまなく解説しました。でも大枠は変化していません。ということは、本書1冊をくまなく読み通し、便利になった各種PC UNIXでコマンドを試していただければ、UNIXの技術を十分かそれ以上に習得できるようになるということです(巻末付録にはviやemacの解説を掲載!⁠⁠。まさにコンピュータ技術の基礎がここにあるのです。

各種PC UNIXを使うとき、デスクトップマネージャだけでなく、ターミナル画面を立ち上げ、UNIXのコマンドを実行してみてください。GUIでは隠蔽されてしまうコンピュータの仕組みに触れることができます。ぜひ本書を片手にUNIXの世界を楽しんで勉強してください。