春たけなわ。低山の山歩きが気持ちいい季節です。コンパクトデジカメ片手に、里山歩きを楽しまれる方も多いことと思います。里山や低山の楽しさは、なんと言っても、野の花たちでしょう。この季節、可憐で清楚な野の花たちが次々と咲き始めます。野の草花は、花屋の花と違って、小ぶりで地味です。でも、この慎ましやかな感じがたまらなくかわいらしいんだそうで、ここに世の野の花愛好家たちを捉えて離さない魅力があるようです。
可憐なヒトリシズカ(左)、人気のカタクリ(右)
野の花に出会ったら、まずはパチリ!
さて、野の花たち、最近は、「○○の自生地」などと、ロープを張って保護してあるところもありますが、ひょっこりと野や山で出会えたら、それは格別の喜びです。そんなときは、コンパクトデジカメでパチリ、と行きましょう。素敵な花たちの姿を残せるだけでなく、「これは何という花なんだろう?」と思ったときに、とても役に立つのです。
コンパクトデジカメには、たいていマクロ撮影機能というものがついています。これは、小さなものに近づいて撮影するときに、とても便利な機能です。チューリップなどのお花マークのアイコンになっていることが多いと思います。この機能を使って、名前のよくわからない草花をパチパチと撮ってみましょう。ぐぐっと数センチの距離まで、いや、ピントが合うギリギリの距離まで近づいて、撮ってみてください。花の部分や葉、余裕があれば茎や生えている周りの様子も撮ることをお勧めします。撮るときは、演出はせず、自然のままに。周りの環境も、草花の名前を調べるときに、重要ですから。なお、周りの草花を踏み潰してしまったりしないように注意するのは言うまでもありません。
さてさて、この花なあに?
家に帰ってきたら、さっそく花の名前を調べます。さあて、この花、何の花??
これは、なんの花?
そんなときに役立つのが、『花色で引ける・見分け方がわかる[開花順]四季の野の花図鑑』です。この本には、花を色別・種類別に分けて写真つきで並べた「花色索引」がついています。同じ色で、同じ種類の花が並べてあるので、まずここで目的の花を探してみることができます。
花色索引でまずチェック!
だいたいの目星がついたら、該当ページを開いてみます。するとそこには、同じ頃に咲く似た種類の草花が並んでいます。あとは、本文の解説と部分アップの写真を見て、どの花かを探っていきます。この花は、キクザキイチゲかアズマイチゲ。識別ポイントは葉っぱだということがわかります。
目星をつけて、本文チェック
スミレだけでも60種類!
日本ほど、季節感豊かな草花がある国は、世界でも珍しいようです。スミレだけでも60種類もあるそうで、驚くべき話です。実は、家の周りや道端で見かける花も、よく見てみると微妙に違っていたりします。
ぜひ、この春は野山に出かけて草花を楽しんでください。ゆったり、のんびり、季節の風を感じながら、野の草花と触れ合ってみると、ふんわりと暖かいものに包まれて心身ともにリフレッシュする気がしますよ。デジカメ片手に、自分の出会った草花をパチパチ撮って、マイフォト・ライブラリを作るのも楽しいもの。
意外な出会いと発見が待っているかもしれません。
山の貴婦人、ヤマオダマキ。気品ある美しさです(左)
じみ~な花ですが、アジのあるチャルメルソウ。見つけるとうれしくなります(右)