近頃、雨の降り方が半端でないと感じることが多いですね。台風や前線の大雨以外にも、大都市では突然のどしゃ降りに見舞われることがあります。それが都市型集中豪雨です。1時間に100ミリを超す雨が突然降り始め、数時間のうちに止んでしまう。いつどこで降るか予想がつきにくいことからゲリラ豪雨とも呼ばれています。
気象庁が公開している雨の強さと降り方の指針には、雨量によって人がどのように感じるかの目安が書かれています。それによると、1時間に10~20ミリのやや強い雨は「ザーザーと降る」、20~30ミリの強い雨は「どしゃ降り」とあります。これが50~80ミリになると「滝のように降る」ように感じられ、80ミリ以上では「息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる」のだそうです。
1時間に100ミリの大雨が、いかに猛烈なものかがわかるでしょう。
考えられるいくつかの原因
大都市周辺での豪雨の原因は正確には分かっていません。しかしいくつか関係する要因は分かってきました。そのひとつが「ヒートアイランド」現象です。大都市はコンクリート・アスファルト化により熱くなりやすくなっています。また排熱量も多いため大都市の気温は高くなります。こうして強い上昇気流を発生させる、すなわち大雨を降らせる下地ができあがってくるのです。
東京の場合、海から吹いてくる「海風」の関係も見逃せません。東京湾、相模湾、鹿島灘の3方からの海風が東京・練馬あたりに収束することで、上昇気流の発生に影響を与えているようなのです。ヒートアイランドで熱くなったところに風が収束することで、より上昇気流が強まるということですね。また、高層ビル群による風の通り道の変化が影響しているという研究成果もあります。
『知りたい★サイエンス 都市型集中豪雨はなぜ起こる?』では、そんな都市型集中豪雨の気になるしくみについて、さまざまな視点による研究成果を紹介・解説しています。台風や前線による豪雨、地球温暖化の影響などの記事も見逃せません。