「確定申告」とは?
年が明ければ確定申告の時期が近づいてきます。確定申告は国に納める「所得税」の金額を申告する手続きで、毎年2月15日から3月15日の間に管轄税務署に前年1月から1年間分の納税額を申告します。この申告をもとに、納めるべき税金を納めたり、払いすぎた税金を還付してもらったりします。
会社員は原則不要。では年金生活者は?
確定申告を一度もしたことがないという人もいるかもしれません。これは源泉徴収という制度によって、給料の支払い前に、所得税が差し引かれてしまうからです。差し引かれた所得税は、会社が従業員の替わりに納めています。
一方、年金生活者は確定申告すれば面倒な住民税の手続きが不要になるので、特別に申告が必要ない人も申告することをオススメします。
所得税は所得の計算から
申告納税額の計算はつぎのように行います。まず、所得税は収入に単純にかかるものではなく、「所得金額」と呼ばれる金額をもとにします。たとえば、売り上げが同じ1000万円でも、大赤字の会社もあれば、大儲けという会社もありますよね。そのため1年分の収入金額から、「必要経費」や「給与所得控除」などを差し引きます。これが所得金額です。
次に、「所得控除」と呼ばれる控除があります。控除とは「差し引く」という意味で、医療控除や扶養控除などが代表的です。これらを所得金額から差し引くと、「課税される所得金額(課税所得)」が出ます。
「納税額」を計算して申告する
「納税額」は、この課税所得に所得税率(所得により5%から40%)を掛けて出します。住宅ローン控除などの「税額控除」があれば、この納税額からさらに差し引き、「申告納税額」の完成です。
これらは申告書類をつくれば計算できるので、完成した書類を提出すれば終了です。よく、「節税」という話を耳にしますが、これは経費や控除を上手に使って課税所得を少なくする方法です。残念ながら会社員には所得を少なくする方法があまりないですが、だからこそ控除に当たる出費があれば忘れずに申告して、払いすぎた税金を取り返しましょう。