「遺伝子」と「DNA」の違いってわかりますか?
新聞やテレビでよく見かけることが多い言葉です。でもいざ、聞かれてみると、はたと、答えに困ってしまうかもしれません。どちらかもその働きが目に見えないため、なかなか想像することが難しいのかもしれません。
実は、DNAとは遺伝子を作っている化学物質なのです。遺伝子の本体と言えます。このDNAをたくさん集めてひとまとめにしたものが染色体になります。
では、遺伝子はどんな働きをしているのでしょうか? 遺伝子は、私たちの体を作っているタンパク質の作り方が書いてある設計図にあたります。
しかし、遺伝子はただ持っているだけではだめで、それを元に実際にタンパク質を作ってくれないと意味がないのです。そして、遺伝子が実際に働いてくれることを、発現するといいます。
本書では、生物学用語の説明をなるべく身近なものに例えることで、生物用語としてこれまで「ふ~ん」で終わっていたものを「なるほど、そんなもんだったのか」と理解できるよう解説しています。生物学の知識がなくても読めるように工夫してあります。
基礎編では生物の基礎を、応用編では話題性のあるテーマを書いています。細胞っ何? という話から始まって、遺伝子組み換えやDNAチップ、ポストゲノム、ノンコーディングRNAなど幅広いテーマを解説しています。もちろん、話題のiPS細胞やクローンも取り上げています。
読みやすいように、各テーマごとに読み切りにしてありますので、興味のあるテーマから読み進めることができます。
全体としては、「知り合いの生物学者に聞いた色々な生物系の話」というスタンスです。一通り読み通すと、「細胞ってこんなもんだったんだ」と、実感として理解することができます。
ご興味のある方は、ぜひ一読をお勧めします。では、本書でお会いしましょう。