mixiアプリがまもなく公開予定
日本で最大手のソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)と言えば、ミクシィが運営する「mixi」でしょう。この記事を読んでいる方で、すでに入会している方も多数いるかなと思います。mixiは単なる会員同士のコミュニケーションサービスだけにとどまらず、スコアを競い合うこともできる携帯電話向けゲームサービスや、自分が好きな楽曲のリストを公開したり音楽を聴いたりすることができるサービスなど、さまざまな機能が提供されています。
そのようななか、2008年末に「mixiアプリ」というものが発表されました。まだあまり大きく取りあげられていないmixiアプリですが、正式公開は2009年春の予定なので、具体的にどういったものなのかは開発者サイトの情報以外には知ることができません。はたして、このmixiアプリとは何なのでしょう?
mixiの開発者向けサイト。mixiアプリはmixiをオープン化するためのmixi Platformの1つとして展開されている
Open Socialとソーシャルアプリケーション
mixiアプリの正体を知る鍵は「OpenSocial」にあります。OpenSocialとはSNSに新たな機能を追加するためのソーシャルアプリケーションプラットフォームです。これはGoogleが提唱して作られたオープンな規格で、mixiアプリが採用しているのもこのOpenSocialです。
MySpaceやOrkutといった世界有数のSNSもOpenSocialへの参加を表明しており、今後は業界の標準規格となっていくことは間違いないでしょう。
ソーシャルアプリケーションという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、SNS用のアプリケーションと考えてもらえればイメージが沸きやすいかもしれません。アプリケーションはSNSを利用しているユーザーが自由に追加することが可能で、これにより手軽にSNSの機能を拡張することができます。つまり、今までSNS側で追加されていた機能が、ユーザーの手で自由に拡張することが可能になるのです。
一般的なWebアプリケーションと変わらないのではと思う人もいるかもしれませんが、ソーシャルアプリケーションの一番の大きな違いとして、友達(mixiで言うところのマイミク)などの情報を利用することができるという点があげられます。たとえば占いで自分と相性のいい友達をランキング順に並べるアプリケーション、友達限定のアンケートシステムやクイズゲーム、友達同士で伝言板としても使えるお絵かきノートなど、SNSならではのさまざまな用途が考えられるでしょう。
mixiの開発者向けサイトでもmixiアプリの利用イメージが掲載されている
アプリケーションを開発することもできる
さらにソーシャルアプリケーションは自分で開発することもできます。JavaScriptやXMLの知識が必要ですが、Google Gadgetが作れるくらいの腕前があれば十分です。記事執筆時点ではmixiアプリの開発者は法人を対象とした登録制のため、誰でも開発できるというわけではありませんが、まずは正式公開後にいくつかのアプリケーションが出てくることでしょう。従来のSNSのサービスの枠を超えたものが登場してくるかもしれません。
また、アプリケーション開発者の視点から見ると、OpenSocialに沿ったSNSであれば1度のアプリケーション開発で他のSNSにも対応させることができるという利点もあります。作られたアプリケーションを収益モデルにつなげることも可能なので、新たなビジネスチャンスも生まれてくるでしょう。
Open Socialのサイトではさまざまな情報が提供されている
弊社より発売中の書籍「OpenSocial入門―ソーシャルアプリケーションの実践開発」では、OpenSocialの登場とその背景、OpenSocialによるアプリケーション開発方法などを紹介しています。ぜひとも参考にしてください。