インフラとして欠かせないインターネット
日本で一般的にインターネットが利用されるようになったのは、約17年前の1992年です。IIJ(インターネットイニシアティブ)によって商用接続サービスが提供されたことがその始まりです。
1990年台後半から「テレホーダイ」などのサービスも開始され、徐々に利用者が増えてきましたが、2000年に入ってADSLサービスが提供されるようになってから爆発的に利用者が増えました。
現在ではADSL回線の他、光ファイバ回線なども広く普及し、各家庭で定額制のブロードバンド(高速通信回線)が利用されることも当たり前のようになりました。
インターネットを支えるTCP/IP
みなさんもほぼ毎日インターネットを利用し、Webページの閲覧、メール、ショッピングなどを楽しんでいるかと思います。全世界の情報をリアルタイムで取得できるインターネットは、日々の生活に欠かせないものになっています。
インターネットは、全世界を網羅するとても巨大なネットワークです。この巨大なネットワークをトラブルなく運用していくために、いろいろなルールが決められています。その1つがTCP/IPです。
それでは、このTCP/IPとはどのようなものかを簡単に説明していきましょう。
通信の安定性を保つTCP
TCP/IPのうち、TCPは通信の安定性を保つためのものです。
インターネット上でデータのやりとりを行う場合、必ずデータを送る側とデータを受け取る側が存在します。その際、データを受け取る側が受け取る準備ができていないのに、データを送ったとしても、うまくデータを受け取ることはできません。
同様にデータを送る側に「データを送って欲しい」とお願いしてもデータを送る準備ができていなければ、データを送ってもらうことはできません。
このような状況にならないために、データのやりとりを行う前にお互いの状態を確認し合う決まり事がTCPなのです。
自分の位置を明らかにするIP
インターネット上には無数の端末が存在しています。この状態で何もルールを決めずネットワークに接続しても、自分がどこにいるのかを他に知らせることもできませんし、自分が接続したい端末がどこにあるのかを知ることもできません。
これを解決するのがIPアドレスです。現在使われているIPv4アドレスでは、「192.168.100.1」のように4つの数字を使って、自分の位置を他の端末に知らせることができ、また相手の位置も知ることができるのです。
これは郵便番号をイメージするとわかりやすいかと思います。「東京都千代田区大手町」の位置を示す郵便番号は「100-0004」です。この郵便番号を記入してはがきを出すことによって大手町へはがきに届けられます(実際には詳細な住所を記入する必要があります)。「大手町」がインターネット上にあるネットワークの名前、「100-0004」がIPアドレスと考えてみると、少しはイメージもしやすいかと思います。
「改訂新版 TCP/IPネットワーク ステップアップラーニング」では、このTCP/IPの説明をわかりやすく丁寧に解説しています。インターネットを支える技術に興味をお持ちの方は、是非書店で手にとってみてください。