SQLポケットリファレンスの初版が刊行されたのは、1999年でした。それから、第2版が2003年に刊行されました。そして今回[改訂第3版 SQLポケットリファレンス]が2009年の4月に出版されます。初版が発行されてからちょうど10年です。バージョンアップに対応するため、サイクルが短いコンピュータ書籍において、10年も続くものはそれほど多いとは言えません。
SQLとは
SQLとはデータベースソフトに命令を下すために作られたコンピュータ言語です。データベースはマイクロソフト社のAccessをはじめ、Oracle、Postgre SQL、MySQLなど様々なものがありますが、主な命令であれば規格化されたSQL言語を使えば対応できます。
Accessなどでは、データベースからデータを引き出すなどの基本的なことは、SQL言語を使わなくても、十分対応できます。しかし細かい命令を行うならば、SQL言語を使った方が便利です。Accessでもクエリを作成する際に、[SQLビュー]を使えば、自分でSQL言語を使って、細かい指定が可能です。
Accessでさえ搭載されているSQLですが、業務で使われる、Oracle、DB2などのデータベースならば、SQLを使わないと開発作業はできません。
辞書代わりに使える
SQL言語の仕様は非常に複雑ですが、良く利用するSQLのコマンドや関数はそれほど多くはありません。そのため普段利用するSQL言語は特別に調べる必要もなく利用することでしょう。しかしながら時々細かいことを行う際に、普段利用しないコマンドや関数が必要になります。そんなときにSQLのリファレンスが役に立つのです。SQLリファレンスは机のそばに置いておいて、必要な時にさっと引く辞書のようなものです。
本書はコンパクトなサイズでSQL操作に必要なコマンドや関数がきっちり掲載されています。
さまざまなデータベースに対応
本書が対応しているデータベースソフトは
- Oracle
- SQL Server
- DB2
- PostgreSQL
- MySQL
- Access
です。SQL言語も主な部分は同じなのですが、残念ながら細かい部分は、各社とも異なります。この違いは「SQL方言」と呼ばれます。
本書はそれぞれのデータベースにおけるSQLの違いを、文法はもとより例文まで、詳細に解説しています。
[改訂第2版]から[改訂第3版]へ
2003年の改訂第2版から変わった部分は、XMLへの対応です。各社のデータベースもXML対応が進み、XMLを利用する関数が新たに加わりました。
本書でもXMLを利用する関数を解説するページを大幅に増補しました。また、[改訂第2版]が発行されてから6年が経過しており、各社データベースもバージョンアップ・機能の向上が図られています。本書[改訂第3版]は各社の最新バージョンへの対応もバッチリです。もちろん、旧バージョンのデータベースにも対応しています。