一歩先を行くシステムトレード ゴールデンクロスを検証してみる―Ultimated System Trading

システムトレードとは、あらかじめルールを決め、そのルールが過去に通用したかどうかを検証し、気に入ればそのルールどおりに売買を行う方法をいう。一方、経験と勘で行うことを裁量トレードという。

システムトレードは売買ルールの選択と検証が主な作業となる。例えば、よく買いタイミングの目安として紹介される「ゴールデンクロス」を売買ルールとして選択して、検証してみるとどうなるだろう。

まず、データを入手し、それをExcelに貼り付ける。検証銘柄は、個人に人気のソフトバンクで行ってみる図1⁠。1994年8月25日から2009年3月26日までのデータである。なお、こういった時系列データは、大手ネット証券であればリアルタイムツールから提供されていることが多い。

図1 ソフトバンクの約15年分の株価の時系列データ
図1 ソフトバンクの約15年分の株価の時系列データ

式は関数で記述。5日と25日移動平均(以下MA)のゴールデンクロス(以下GC)判定を下記のようにI2に記述する(I~L列は削除⁠⁠。

=IF(AND(F2-G2>0,F3-G3

これは、⁠本日の5日MA-25日MA」がプラスで、⁠前日の5日MA-25日MA」がマイナスならGCと記述、という式だ。I列に反映してシグナル判定としよう。加えて、J12に次のように書いてみる。

=IF(I12="","",IF(MAX(E2:E11)-B11>0,"○","×"))

この式は、GCシグナルが出た翌日の始値で買ったとして、購入日を含む10営業日以内の終値ベースで、購入価格を上回ったかどうか? という判定を行ったものだ。10日の判定なので、J12に記述して、以降にペーストする。

集計結果をまとめると、次の通り(COUNTIF関数を使用⁠⁠。

GC:79 ○:66 ×:13

誌面の都合もあり、ほんの入り口しか紹介できなかったが、もし興味を持った人は、ぜひ専門書を読んでもらいたい。⁠杏)