「半導体」って⁠半分だけが導体なの

半分なの? 半端なの?

「半導体」と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか。最初に「半導体」という言葉使ったのは、ドイツの無線技術者たちだといわれています。

1920年代ごろは、受信電波から音声信号を取り出す検波部品として、整流作用をもつ鉱石探しが盛んに行われていました。しかしこの鉱石の電気的特性が気まぐれで、不完全にみえる特性を示しバラツキが多いので、技術者たちは、不完全な導体とういう意味で「半導体」と読んでいました。

つまり、半導体の「半」は、1/2の「半」ではなく、半端の「半」だったのです。名付けられた当時、半導体の正体はまだ分かっていませんでした。

実は、この不完全な電気特性の中に、可能性が秘められていたのです。

半導体ってなに?

では、半導体とはなんでしょうか。一般には「電気抵抗が金属と絶縁体の中間にある物質」と定義されています。

では、どこまでが導体で、どこからが絶縁体なのでしょうか。この境界は明確ではないのです。たとえば、電気抵抗率という値でみて、いくつなら導体であると明確に定義することは難しいのです。

半導体を電気抵抗率で見てみると、その範囲の広さに注目してください。たとえば、金属の電気抵抗率は、ほとんど10-8乗の近辺に集まっています。半導体を見てみると、10-6乗から108乗までの広い範囲にわたり分布しています。さらに、半導体物質の状態の違

いによって大きく電気抵抗率を変化させていることにも注目してください。

半導体の正体が明らかになったのは、量子論の根本原理が確率した1930年代ごろです。量子論は、エネルギーも、それ以上分割でない最小構成単位から成り立っているという認識から出発しています。これはニュートン力学的とは違う世界なのです。では、半導体の正体とは? ……続きは、これまでになく半導体をしくみをイラスト入りでやさしく解説した「半導体が一番わかる」でお会いしましょう。