BIOSって何だろう?
パソコンの電源ボタンを押した後、画面に何やら呪文のような文字がたくさん表示されていることに気付いていますか? しばらく待つと何事もなかったかのようにWindowsが立ち上がりますから、普段はまったく気に留めていない方が多いかもしれませんね。
これらの文字列は、「BIOS」(Basic Input/Output System)と呼ばれるソフトウェアが表示しています。真っ黒な画面上に文字が流れていく様子は、Windowsのように華やかな画面と比べるととても地味ですし、何だか難しそうで敬遠したくなることでしょう。
ですが、もしこのBIOSが無かったとしたら、私たちはパソコンを使って仕事をすることができません。私たちがパソコンを使っていくうえで、BIOSはそれほど大切な役割を担っています。ここでは、パソコンを支える縁の下の力持ち、BIOSを紹介します。
BIOSはどこにある?
BIOSはソフトウェアの一種なのですが、パソコンショップでパッケージを購入できるWindowsやOfficeなどとは少し違います。BIOSは、パソコンの中枢部品の1つ「マザーボード」の中に存在しています。マザーボード上のROMチップと呼ばれる場所に保存されており、パソコンの電源がオンにされるたびに呼び出されます。
BIOSの仕事1:パソコンを立ち上げる
一番わかりやすいBIOSの仕事、それはパソコンを立ち上げることです。Windowsが立ち上がるのも、実はBIOSの手助けがあってこそです。
電源ボタンを押したとき、BIOSが真っ先に動き始めます。そしてまず、パソコンの各種ハードウェアに問題がないかどうか順番にチェックしていきます。チェックが完了すると、今度はCPUやメモリ、拡張カードなどさまざまなハードウェアを初期化します。これらの作業が完了すると、ようやくBIOSからWindowsへとバトンタッチされるのです。
BIOSの仕事2:最新のハードウェアに対応
WindowsやOfficeなどと同様、BIOSにも常に改良が加えられます。これをアップデートと呼びます。BIOSをアップデートすることによって、高性能な最新ハードウェアにいち早く対応し、そのハードウェアの力を十分に引き出すことができるのです。私たちが安心して最新のハードウェアを利用できるのも、BIOSのおかげです。
ただし、BIOSのアップデートは「Windows Update」のように手軽な作業ではありません。BIOSを最新のものに置き換えるためには、私たち自身の手で更新作業を行う必要があります。
BIOSの仕事3:チューニングもおまかせ
パソコンの持つ能力を最大限に発揮するためのチューニングでも、BIOSは威力を発揮します。最近のBIOSは、メモリやCPUなどの動作条件に関して、非常に細やかな設定ができるようになっています。これは、ギリギリのバランスで微妙なさじ加減が必要となるチューニング作業においては、とても重要なことです。
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