毒物劇物というと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。青酸カリ、六価クロム、水銀といった死にいたる「毒」を想像されるでしょう。毒物劇物が毒薬劇薬とどう違うのかというと、毒物劇物は「物」として扱われ「毒物及び劇物取締法」で規定され、毒薬劇薬は「薬=医薬品」として扱われ、薬事法で規定されています。毒物と劇物はどう違うかというと、毒性が高い順に、
に分類されます。
では、毒物劇物取扱者という資格について見てみましょう。毒物劇物取扱者はどのようなところで活躍するのでしょうか。毒物劇物の輸入や販売、毒物劇物を製造する会社、石油精製業、しろあり駆除や農薬を扱う会社、電気めっきを扱う会社やクリーニング業などで活躍しています。このような毒物劇物を扱う会社や事業所は、毒物劇物取扱責任者を設置しなければなりません。毒物劇物取扱責任者には、①薬剤師、②厚生労働省令で定める学校で応用化学に関する学科を修了した者、③毒物劇物取扱者試験に合格した者がなることができます。つまり、薬剤師でない方や応用化学系の学校を修業していない方で、毒物劇物取扱責任者になるには毒物劇物取扱者試験に合格するしかありません。
毒物劇物取扱者試験には、①すべての毒物劇物を扱える「一般毒物劇物取扱者試験」、②農業用品目である毒物劇物を扱える「農業用品目毒物劇物取扱者試験」、③特定品目である毒物劇物を扱える「特定品目毒物劇物取扱者試験」という3種類の試験区分があります。また、毒物劇物取扱者試験は、年1回都道府県ごとに試験が実施されます。都道府県ごとに試験問題が違いますので、試験問題の傾向は違います。しかし、試験範囲は同じです。筆記試験と実地試験に分かれますが、筆記試験は、①法規、②基礎化学、③性質及び貯蔵その他取扱い方法となっています。実地試験は、毒物及び劇物の識別及び取扱い方法、について出題されます。ある県で毒物劇物取扱者試験を受験し、また別の日に試験が行われる県で再度受験する、ということも可能なので、比較的受験しやすい資格です。興味のある方はぜひ受験してみましょう。(¥)