「ブログだけでも手一杯なのに今度はTwitterだってよ」。
企業のWeb担当者さんからはそんな嘆きが聞こえてきそうです。インターネットが強力なマーケティングツールであることは事実ですが、それにしてもあわただしい。メール、SEO、リスティング(検索連動型)広告、ブログ、携帯電話……。次から次からに新しいツールが現れます。「もうついていけないよ」という人もいれば、「いろいろやってるけど、どれが効いてんだかさっぱりわかんない」という人もいるはずです。
お客様の状況によって有効なツールは違う
ここは1つ、見取り図を描いて整理してみましょう。まず図1は、これらのツールを時間の流れに位置づけたものです。
図1 お客様の状況とネットマーケティングのツール
AISASとは、お客様の状況や行動の変化を示したものです。まず①注意が喚起されて商品やサービスの存在に気づき、②関心をもち、③検索をし、④購入や資料請求などのアクションをし、さらには⑤その事実や使い勝手などの情報を他のお客様と共有する、という順番を辿ります。
この間、お客様の知りたいことやしたいことはどんどん変化していくわけですから、それに合わせて適切なツールでアプローチする必要があります。ですから、たとえば「いまさらバナー広告(ネット広告)? これからはリスティング広告(検索エンジンマーケティング)だよ」なんて単純な言い方は間違いです。正解は、お客様の状況によってはどちらも有効。言い換えれば、お客様のすべての状況をカバーする魔法のツールはない、ということです。
お客様の居場所によって有効なツールは違う
さて、見取り図をもう1つ。今度は空間の広がりに沿って整理してみます。それが図2です。
図2 お客様の居場所とネットマーケティングのツール
まず真ん中にあるのは、コーポレートサイトやブログなど自社のサイト。そのすぐ外側には、検索エンジンやコミュニティサイト、他社のサイトなどが広がり、さらにその外にはネットだけではないデスクトップの空間が広がります。そして最後に、それらすべてを包み込む大きな広がりが「リアル」、つまりお客様が現実に暮らしている世界です。
ここでも、お客様のいる場所によって、有効なツールは変わってきます。たとえば、携帯電話がマーケティングツールとして注目を集めるのは、「リアル」の世界とつながる力が強いからです。出先のお客様にも情報を届けられますし、家にいるお客様をお店へと連れ出すこともできます。
おおよそこんな見取り図を頭に入れておき、自身のビジネスゴールと照らし合わせれば、まずはどのツールに尽力すべきか、きっとヒントが見つかるはずです。