今や日本国内でのインターネットアクセスは、パソコンユーザーより携帯電話ユーザーのほうが主流となってきました。企業サイトやコンテンツサイトも、携帯電話向けサイト(ケータイサイト)を用意するところが増えています。
携帯電話のブラウザも進化しており、NTTドコモ最新の仕様である「iモードブラウザ2.0」では、フレーム機能やJavaScript機能を備え、豊富なCSSプロパティに対応するなど、パソコンのブラウザ並の表現力に近づいてきています。
しかし、携帯電話が進化したからといって、必ずしもケータイサイトも進化するとは限りません。作り側の視点から見ると、そこにはいくつかの問題点もあるのです。
キャリアによって仕様が異なる
日本国内のおもな通信事業者(キャリア)といえば、NTTドコモとauとソフトバンクモバイルです。実は、この3社でブラウザの仕様、扱える言語(HTMLやXHTMLなど)が異なるのです。そのため、作る側としては、各キャリアにあわせたサイトを用意しなくてはなりません。とくに、ユーザー数の違いから、NTTドコモ以外は後日対応ということもよくあります。
同じキャリアでも仕様が異なる
1つのキャリアでもたくさんの携帯電話が発売されています。新しい機種には新しい機能が搭載されていますが、古い機種では新しい機能に対応したサイトを完全な形で見ることはできません。作る側としては、古い機種でも見られるように考慮しながら作る必要があります。新しい機能を利用したサイトは、現状ではあまり多く作られていないのです。
将来的には統一されるとよいのだが…
このように、作る側としては、キャリアや機種の特性を理解してサイトを作り分ける必要があります。動作確認やその後のサイトの更新作業も含めると、実に地道で大変な作業です。一番簡単な解決方法は、全キャリアの全端末で仕様が統一されることですが、現状ではなかなか難しいでしょう。
弊社から発売されている「ケータイHTMLポケットリファレンス」は、3キャリアの複数のブラウザに対応したHTMLのタグリファレンスです。タグや属性の使い方を詳しく解説していますので、現状のケータイサイトの制作には、きっと役立てることができるでしょう。