二次請けマネージャの板挟みはどうしたら解消するか

一次請けと二次請け

日本のソフトウェア開発の半分近くが受託開発だと言われます。現場の視点から見ると、一次請け企業は低いコストで無理な要求を出してくる無慈悲な存在に思えることがあります。一次請け企業と現場の間を取り持つ二次請けマネージャの悩みはつきません。

受託開発というしくみ自体に問題があるという考え方もありますが、現場の開発者としては、今目の前にある仕事を少しでも軌道に乗せることで頭がいっぱいでしょう。

一次請けに行けば問題は解決するのか

ピラミッドにたとえられることの多い日本のソフトウェア産業の構造ですが、上流と言われる一次請け企業に行けば、一次請けと二次請けの間の板挟みから解放されるのでしょうか。本書『二次請けマネージャの教科書』の著者である松本氏は、一次請け企業は、顧客から要求を引き出し、仕事に変えていくことに多くの労力をさいていることを述べています。

松本氏はかつて二次請けマネージャを務めていましたが、一次請け企業のマネージャをするようになって、一次請け企業と二次請け企業の仕事の難しさに変わりはなく、性質が違うだけであることを体験しました。その経験を元に、一次請け企業と二次請け企業が互いに助け合う関係を作るために、二次請けマネージャが果たすべき役割を一冊にまとめました。

一次請け企業との交渉はどのようにしたらよいのか

二次請けマネージャの悩みの1つは一次請け企業との交渉でしょう。納期や伸びたり予算が超過する場合、どのように話を切り出したらいいのでしょうか。大事なのは一次請け企業と二次請け企業はともに1つのプロジェクトを成功させるためのチームであることです。一次請け企業も二次請け企業に気持ち良く仕事をしてもらわないと困るのです。ですから、交渉は十分可能です。

まずは、納期や予算のずれをお詫びすること、具体的なプランを示すこと、一次請け企業に迷惑をかけないための対策であること、対応策への了承をお願いすること、という順番を心がけてみてはいかがでしょうか。

本書はこのほかにも受託プロジェクトを円滑に進めるためのノウハウを多数紹介しています。ぜひ書店でお手にとってご覧ください。