管理栄養士というと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。食品の栄養を計算して給食などの献立をたてる人といったイメージでしょうか。しかし、管理栄養士は、より医療に密着した職業です。管理栄養士の約1/3は医療機関で働いています。
管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、①傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、②個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導、③特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等、を行うことを業とする者をいいます。つまり管理栄養士は、患者の栄養補給や食事を考え指導したり、たとえばメタボリックシンドロームの方への栄養指導や、給食施設での栄養指導をします。1日1,500食以上提供し8割の従業員が喫食する事業所や、介護老人保健施設を併設し、1日合計750食を提供する病院は管理栄養士が必置です。
管理栄養士になるには、どうしたらよいでしょうか。受験の前提資格あります。栄養士になって実務経験を積む(栄養士養成施設+実務経験の年数の合計が5年)か、管理栄養士養成施設を修了して栄養士免許を得るか、どちらかしかありません。栄養士は通信教育や夜間学校では学べません。かなりハードルが高く、本気度が高い試験といえます。しかし、管理栄養士の需要は増えています。興味のある方はぜひ受験してみましょう。
解いてみよう
【2010年 問149】
33歳女性。身長165cm、非妊娠時には、体重60kgで、高血圧やたんぱく尿の既往歴はない。妊娠28週には体重65kg、血圧160/110mmHg、たんぱく尿(2+)を呈し、妊娠高血圧症候群と診断された。この患者の栄養食事指導として、正しいのはどれか。
- (1)1,600kcal/日、たんぱく質40g/日、食塩3g/日
- (2)2,000kcal/日、たんぱく質60g/日、食塩3g/日
- (3)2,000kcal/日、たんぱく質60g/日、食塩7g/日
- (4)2,400kcal/日、たんぱく質100g/日、食塩7g/日
- (5)2,400kcal/日、たんぱく質100g/日、食塩10g/日
【解答】(3) 問題の解説は書籍で。