名著「28日で即戦力! サーバ技術者養成講座」が改訂され、お値段据え置きのまま大幅増ページされました。
本書は現場で必要となるサーバの導入から構築・設定・運用管理までの技術を、1日1単元、全部で28日間で、実際に操作しながら身につけていく構成となっています。
さらに、本書準拠のオリジナルの診断プログラムがダウンロード可能。一単元進めるたびに診断プログラムを実行すれば、適切な設定かどうか、たちどころに判定するので、独習者の強い味方になります。また、本書で実際に学習を進めた「先輩読者」からのアドバイスである「学習者の眼」コラムも数多く盛り込んであり、力強く後押ししてくれます。
……ということで、新人から2・3年生が手っ取り早く現場の知識を得るのに最適なこの本ですが、実は、第一線でバリバリ活躍されている中堅の技術者の方にも役に立つ本なのです。
そういった方にとっては、本書に掲載されている内容は、おおむねご存知の知識かと思いますので、本書の構成どおりに28日で進めていく「オモテ」の利用方法よりも、①リファレンスとして ②後輩への教育に ③知識をさらっと整理するため、などいわば「ウラ」の利用方法がメインとなるでしょう。そして、その「ウラ」の方法で使ってくださっている方が、本書の旧版ではかなり多かったようなのです。
まずリファレンスとしての利用方法ですが、例えばsendmailについてざっくりひととおりの知識を得たい、というような場合、入門書ではスカスカで役に立ちませんし、かといってオ○○リーなどの専門書では厚くて歯ごたえがありすぎます。そんなとき、本書がお手元にあれば、現場で必要な知識をすぐに得ることができます。だいたいはイメージできるけど、細かい部分はちょっと度忘れしてしまった、なんてときにも有効です。
また、後輩や部下の方を指導する立場になったときにも本書は役に立ちます。本書をそのまま教科書として渡すのもよいですし、お手元において後輩から質問があったときにうまい説明の仕方を調べたり、該当部分を「ここを読んでやってみな」と渡したりするのにも使えます。自分では完全に理解していても、人にわかりやすく説明するのは案外やりづらいものですよね。
さらには、仕事に余裕ができたときに、これまでネットなどで調べて身に付けた知識を体系的に整理しておくためにも有用です。
なお、改訂新版では、最近の動向をふまえ、CentOS5.5をベースに記述(使用しているサーバアプリはOSに依存しないので他のLinuxやSolaris・HP-UXなどの商用UNIX、FreeBSDなどでもそのまま利用できます)。Webメールや仮想化/クラスタリング、ウイルス/Spamメール対策、シェルスクリプトなどを新たに盛り込みました。
初学者向けのコースウェアとしても、中級者用向けの実践的なサーバ運用の本としても有用な本書を、一度書店でお手にとってご覧いただけると幸いです。