VBAは、Excel 5.0(Office 95)に初めて搭載された、15年以上の歴史を持つプログラム言語です(現在のバージョンは7.0)。言語としての基本文法はほとんど変わりませんが、Excelのバージョンアップに伴う機能拡張に合わせ、さまざまなオブジェクトやメソッド、プロパティが追加され続けています。ここでは、Excel 2010で追加されたVBAの新機能について簡単に紹介しましょう。
Excel VBAの新機能
Excel VBAはExcelをコントロールするためのマクロ言語ですので、Excel 2010で追加された機能がそのままExce VBAの新機能になります。
全く新しい機能としては、セルの中にグラフを表示する「スパークライン」、ピボットテーブルの集計を簡単に行う「スライサー」があります。これらを操作するためのオブジェクトとプロパティが追加されました。
また、Excel 2010では条件付き書式が強化され、データバーに負の棒が追加されるなど表現力が増し、カラースケールやアイコンセットの表現力も増しました。そのため、ExcelVBAでできる設定も、バリエーションが大幅に増えています。
「条件付き書式」で自由なアイコン組み合わせが可能になるなど、グラフを使わなくても豊かな表現を加えることができるようになりました
その他にも、VBAで制御できるイベントの数が増えたり、色にテーマカラーを指定できるようになったりと、地味ながらも着実な機能強化が行われています。
Excel VBAにはリファレンスが必要!
Excel VBAはVisual Basic 6を元に作られていますので、言語自体は簡単に習得できます。しかし、Excel自体が「何でもできちゃう万能アプリケーション」ですので、Excel VBAの機能も非常に多く、すべてを理解して使いこなすのは大変です。
また、Excelにはたくさんのバージョンがあり、バージョンごとに使える機能が少しずつ異なります。せっかくマクロを作っても、古い(新しい)バージョンでは動かなかった… ということがよく起こります。
そのため、ExcelVBAの開発ではバージョンごとの互換性を明記したリファレンスが必須となります。今ではインターネットが普及し、Googleなどの検索エンジンで断片的な情報を調べることができますが、手元に一冊、総合的なリファレンス書を持っていると便利です。技術評論社の『Excel VBAポケットリファレンス』もそのような用途に役立つ書籍ですので、ぜひ一度、書店でお手に取ってみてください。