データを“眺める”ことからはじめよう!

統計学の初歩の初歩から、統計学を実際に特定の分野に利用するための実践的な基礎を体系だてて学ぶことを目的にした統計学シリーズの第一弾が『はじめよう!統計学超入門』です。本書は、⁠トウケイってなに?⁠という疑問を持つひとにお薦めの1冊です。

統計分析って何でしょう? ひとことでいうと、全体の様子やパターンを捉える方法です。折れ線や棒グラフから傾向をつかめなくても、まずはそれらを⁠眺める⁠ことからはじめ、数字やグラフがどうなっているかという感覚を養っていこうというのが本書のコンセプトです。最初は、左右対称、線が崩れている、点がまばらだな…、そういう感覚でいいのです。図の印象を感じ取ることこそ⁠統計⁠の第一歩なのです。計算は、そのように感じ取った傾向やパターンをより正確なものにする手段です。

随所に取り上げている例は実データです。共感しながら読み進めてもらえるでしょう。定規やペン、電卓を使って…といった実習もありますので、ぜひ皆さんの手を動かして、統計を感じ取ってみてください。

検定、分散分析の考え方も自然に理解できる!

“眺める⁠感覚を大事にしながら、本書は相関関係、回帰分析、検定、最後に分散分析へと導いていきます。差、ちらばり、平均をどう解釈していったらよいのか、計算の流れを追いながら理解できます。そしていつのまにか、身の回りにあるいろいろなデータがよりおもしろく見えてくるに違いありません。それって本当?とデータやグラフを疑うようになったらしめたものです。統計の醍醐味を味わってください。