AR(エーアール)。雑誌や広告などでなんとなく見聞きはするものの、一体それは何なのだろう? と思っている方も多いかもしれません。
ARとはAugmented Reality、日本語では拡張現実と訳されています。VR(Virtual Reality)、仮想現実と呼ばれる技術もありますが、VRが仮想空間で完結しているのに対し、ARは現実空間への介入をもって成立します。
ARはつい最近登場してきたような印象がありますが、決して降ってわいたような新しい言葉でもなければ、新しい技術というわけでもありません。しかし、ここ最近になって急激に注目浴びてきているのも事実です。それはなぜでしょうか? 一つには手軽な開発環境(ARToolKit)が提供されたことがあるでしょう。本来AR技術を具現化するのは簡単ではありませんでしたが、ARToolKitの登場により、比較的身近な存在としてAR技術が利用できるようになりました。YouTubeなどで検索してみるとわかりますが、たくさんの投稿動画を見ることができます。
また、iPhoneなどのスマートフォンの普及も一役買っているといえるでしょう。少し前までARというと、出力先にもメガネ型ディスプレイのような特殊な装置を必要とするようなイメージがありましたが、スマートフォンの普及により、多くの人が手にしているデバイスで、拡張現実の世界が楽しめるようになったのです(といってもまだ特殊な世界かもしれませんが)。
では実際、ARという技術はどのようなものなのでしょうか。「セカイカメラ」(携帯用アプリ)という拡張現実ソフトがあります。「セカイカメラ」を起動してのぞく現実の風景には、エアタグと呼ばれる情報を重畳することが可能になっています。どういうことか。たとえば、あるお店をカメラで覗くと、そのお店に関するお得な情報、あるいは評判が表示される。ある場所(位置情報)を根拠にして、何らかの情報を表示することができるということです。つまり、ARとは「何かを根拠に何かを出す」技術といえます。そういう意味では、あの都市ガスもAR……って、それはどういうこと? それについては、『AR(拡張現実)で何が変わるのか?』をお読みください。ARのさらに本質的な部分がわかるはずです。