情報処理技術者試験の新たなカテゴリとして平成21年4月にスタートした「ITパスポート試験」。「社会人として必ず知っておきたい情報技術の基礎知識」を問う国家試験として、すっかり定着した感がありますが、ここにきて、またまたビッグニュースがありました。
かねてから噂のあったCBT(Computer Based Testing)化が、ついに平成23年11月から実施されることになり、公式にアナウンスがありました。(試験会場やシステムの構築がうまくいけば、という前提条件はついていますが)。
CBTとはコンピュータ上での試験を指しますが、自宅のPCなどで気軽に受験できるわけではなく、試験会場に出向くことはこれまでと同じです。ただ、従来は試験会場は指定できませんでしたが、CBT化されると自分で都合のよい試験会場を選択できるようになると予想されるので、利便性は格段に高まります。
詳細事項はまだわからないのですが、類似の試験の実施状況や、試験システムの調達仕様書から、CBT試験の流れを予想してみました。
- ①受験希望日の1週間前までに、各会場に申し込み、受験料を払う。受験票が発行される
- ②各会場では身分証明書を提示。入室の際、荷物は全てコインロッカーなどに預ける。小さなホワイトボードとペンが渡される
- ③試験開始。CBTのデータセンターから、各受験者に割り当てられたPC上に、受験者ごとに異なる問題セットが送られる。受験者は受験番号やパスワードを入力して試験を開始する。解答もPCに入力する。筆算やメモ書きなどはホワイトボードで行う
- ④試験終了後、即合否・得点判明。試験結果レポートが渡される。ホワイトボードは回収される
- ⑤合格証は後日郵送される
と、おおむねこのような流れになるのではないでしょうか。
なお、CBT試験の詳細が発表されるころには、試験センターホームページに、試験擬似体験ができるようなコンテンツが用意されるものと思われます。
年2回しか受験のチャンスがなかったこれまでに比べ、利便性ははるかに高くなります。また、合否もその場で発表なので、これまでのように1ヶ月ちかくやきもきしながら待つ必要がなくなります。
気になるのは受験料。これまでは5100円と、民間試験に比べ比較的安かったのですが、これまで「受験料は値上げしない」と明言されていないところからして、7000円くらいにはなるかもしれません。利便性とトレードオフというわけですが、できれば5100円のままCBT化してほしいものですね。
なおこの動きは、ITパスポートに限ったものではありません。他の試験も、午前試験は多肢択一式なので、コンピュータ化は容易そうです。おそらく、ITパスポートを皮きりに、基本情報・応用情報・高度試験と、午前試験はもれなくコンピュータ化していくと予想されます。今後も、注意深く動向を見ていく必要がありそうです。