この時期になると目にするのが「確定申告」のお知らせです。
この確定申告。なんとなく聞いたことがあるけどよく知らない、という方のために日本一わかりやすく(?)確定申告を解説します。
確定申告は「税金」に関係した手続き
確定申告とは、税金を納めたり、納めすぎた税金を還してもらったりする手続きのことです。
申告が遅れる人や、嘘をついて税金をごまかしたり納めなかったりする人もいますが、税金が高くなったり、多額で悪質な人は捕まったりとロクなことはないので気をつけましょう。
「節税」と「申告漏れ」と「脱税」
いきなり話しがそれますが、なるべく税金は払いたくない、どうせなら美味しい物を食べ、好きな物を買いたい、というのが人々の本音です。さらに日本では法人税が高いので「いかに税金を払わないようにするか」が多くの日本企業の永遠のテーマとなっています。
そこで行われるのが「節税」です。これはお金のやりくりをして税金のかかる所得を下げたり、経費を上手に使って合法的に払う税金を少なくする方法です。
一方でニュースなどで目にする「申告漏れ」は、本来申告すべき所得などを「申告し忘れちゃった」という状況で、それが悪意ではなく過失の場合にいわれます。
これが確信犯で所得を隠したりするとマルサ(国税局査察部)の登場です。確信犯の場合は「脱税」という犯罪なので、みつかれば逮捕されて裁判を受けて懲役刑や多額の罰金を支払うしっぺ返しが待っています。そういえば何か思い当たる、という会社はマルサに狙われないよう正しい経営をしましょう。
確定申告の基本は「所得税」の話し
話しを戻して、確定申告は主に「所得税」を納める手続きや、予定より所得税を多く払いすぎた場合に還してもらうために行う手続きです。
この所得税は、ものすごく乱暴にいえば「収入」に対する税金です。商売の売り上げや会社からもらった給料などの収入に対して国や地方公共団体が税金をかけて徴収するのです。
ところが「収入」といっても、人によってそれぞれ事情は異なるものです。
たとえばサラリーマンには個人の借金は別にして「赤字」はありません。
しかし自営業の場合、売り上げがあっても仕入れの費用や人件費が多ければ「今年は赤字」ということも十分にあります。このような事情があるためそれらの費用に対して「必要経費」という扱いで税金をかけないように配慮しています。
これらの必要経費などの「事情」を含めて計算し、所得を申告して税金を納める手続きが「確定申告」です。
自営業者は全員申告。サラリーマンは原則申告が不要
自営業の人は誰も自動的に計算してくれないので、全員が確定申告の手続きを行ないます。これを税理士に頼む人もいます。
一方、サラリーマンには「給与所得控除」という必要経費のような扱いがあります。この給与所得控除は給料が支払い時に会社が計算してくれた上で税金が引かれます。
これがいわゆる「源泉徴収」というしくみで、さらに「年末調整」という簡単な申請でそれぞれの事情も計算してくれるので、多くのサラリーマンは確定申告が不要です。
申告が必要なサラリーマン
自営業者と異なり多くのサラリーマンは申告が不要ですが、それでも申告が必要になる場合があります。
たとえば副業がある人、投資や不動産から収入がある人などは会社からの給料とは別に収入があるため、基本的には確定申告が必要です。
しかし会社を退職したり、出産で家族が増えたり、医療費が10万円を超えた人などは、それらの事情を確定申告をすれば税金が還付される場合があります。
このように国民それぞれの「事情」に合わせて計算する手続きが「確定申告」です。
特に気をつけるポイントは「納めるべき税金」を納めないと申告漏れや脱税になること、また「納めすぎた税金」は税務署は教えてくれないので自分で還付手続き(確定申告)をしなければ還付されないことです。取るものは取る、払うものは払いたくない、という実にわかりやすいしくみなので気をつけましょう。