マイクロコントローラは、敷居が高い、難しいイメージがありますが、8ピンしかない小型のマイクロコントローラ(PICマイコン)であれば、これからはじめる人でも簡単でしかも高機能なマイコンを使った電子工作を楽しむことができます。
この8ピンのマイコンは、電源ピンに電池を接続するだけで動作し、入出力ピンに接続した機器を直接動作させることができます。機器はプログラムで自由に動作を制御できるので(8ピンなので多くのものを制御することはできませんが)想像以上に面白いことが実現可能です。
例えば、気圧計、フルカラーLED制御ユニット、キッチンタイマ、GPSモニタ、高精度微小電圧電流計もこのマイコンで製作することができます。
製作例:気圧計
製作例:キッチンタイマ
電子工作で必要なもの
「PIC12F683」は1個150円で入手できます(秋月電子通商)。これにプログラムを書き込むプログラマ「PICkit3」、工作に必要な電子部品と、工具を揃えてください。
このほかに重要なものとしてプログラミング用のC言語が必要となりますが、はじめてチャレンジするのであれば高価なものはちょっと手を出しにくいと思いますので無償で提供されているC言語を使ってみましょう(HI-TECH Cコンパイラの中の評価用フリー版を使う)。
その他開発に必要なプログラム群をすべてマイクロチップ社から無料で入手して整えることができます。
製作の手順
小社ホームページの「基礎入門 8ピンPICマイコンの使い方がよくわかる本」にある「本書のサポートページ」より、プログラム一式とパターン図、実装図、回路図をダウンロードしてください。これで工作に必要なものは揃うので、すぐに電子工作を始めることができます。
次にパターン図でプリント基板を製作します。ちょっと手間ですが、部品の取り付けが簡単に行え、配線ミスがなくなるので、この壁を乗り越えてしまうと後は楽に簡単になります。
次に実装図、回路図に従って部品を取り付け、はんだ付けを行い、間違いがないか確認します。
後はマイコンにプログラムを書き込めば完成です。
動かしてみよう
マイコンにプログラムを書き込みます。本書で紹介したものはICSP方式でプログラムを書き込むことができるので、基板のICSP用のピンにPickit3(プログラマ)を差し込み、ダウンロードしたプログラム一式の中から、例えばキッチンタイマであれば「Timer.hex」を書き込みます(この時パソコンが必要です)。
PICkit3でプログラムを書き込む
書き込みが終了したら動作させてみましょう。本書で紹介した作品はどれも実用的なもので、けっこう重宝しますよ。
プログラミングの入門書としても最適
オリジナルの作品を製作してみたいと思っている方、頭の中にある設計図を実現するための方法を探しているという方、プログラミングのノウハウを知りたい方は、プログラムの解説からお読みください。プログラミングの方法、テクニック、工夫等が理解でき、今後の作品作りに役立ちます。
また、前述したように本書では、HI-TECH Cコンパイラの評価用フリー版を使って解説してあるのですぐにはじめることができます。
実用器として実際に活用することができる8ピンマイコンを使った電子工作にぜひチャレンジしてください。