恒例の『2011-'12年版[最新]パソコン・IT用語事典』最新版も、今回で22回目の改訂となりました。もっと長い歴史を持つ『広辞苑』などの辞書と比較しても圧倒的な改訂回数の多さです。よくまあ毎年そんなに変更することがあるな、毎年買わずに1回くらい飛ばしても問題ないなどと思った方もいることでしょうが、それは、とんでもない間違いです。コンピュータやデジタル家電などに関係する用語の入れ替わりの激しさというのは、ここまでの改訂頻度でも、やっと追随できるかどうかというほどなのです。
チュニジアに端を発した独裁政権の打倒運動に与って力あった「フェイスブック」や「スマートフォン」「電子書籍」その他、急にクローズアップされる用語も少なくありません。もちろん、この事典には、ずいぶん前からこれらの用語も掲載されていましたが、クローズアップされたからには情報ニーズが高まったということが明らかですので、それ相応の詳細な説明を加えるなど、実は神経細やかな変更を施しているのです。
逆に、もう身のまわりで見かけることがなくなったようなモノに関しては時機を見極めて関連用語も削除するなど、そういった点でも神経を使っているというわけです。
時間のあるときに、ぱらぱらと中を眺めてみてください。その時々の流行やテクノロジーの進化の方向性など、いろいろとわかって楽しめること間違いなしです。それによって、電子辞書や検索エンジンに代表されるキーワード検索では決して得ることができない、奥深い知識が身につくのではないかと思います。こういった「場当たり的でない知識」こそ教養の礎石に違いありません。