黎明期に得るべき知識やテクニックと、熟成期に得るべき事柄は異なる。
Windows 7が登場してから1年以上が経過したが、ハードウェアやアプリケーションという周辺事情がWindows 7に適した進化を遂げ、ついに「Windows 7 Service Pack 1」も登場した。それらを踏まえて送り出すのが『Windows 7 上級マニュアル ServicePack対応版』である。
大容量メモリ、USB3.0、高速駆動SSD、大容量ハードディスクの普及により、以前はテクニックとして必要だった「貧弱なリソースをどうにかするための、ちまちまとしたカスタマイズ」はそれほど重要ではなくなった。
むしろ「リッチなデバイス環境を生かすための、新たなOSカスタマイズ&環境づくり」が必要になっている。『Windows 7 上級マニュアル ServicePack対応版』では、この点を踏まえて「64ビットWindows 7(x64)」と「Windows Virtual PC(仮想マシン)」の解説を大幅に増強している。
また、昨今のデバイスの進化により、もはや不要といわれていた過去のテクニックを掘り起こさなければならないという面白い逆転現象が起きている。
たとえば、価格競争にさらされているハードディスクの一部には、そのまま使うと特定環境においてファイルクラッシュを起こすなどのモデルが存在し、また高速駆動ストレージであるSSDも利用すれば利用するほど速度低下が起こるという現象が発生しているが、これらの解決には「MS-DOSを起動してプロンプトからコマンドを実行する」という、ほぼ忘れ去られた知識が要求されることもあるのだ。
『Windows 7 上級マニュアル Service Pack対応版』では、このような「古いけど必要になった知識」も「新しいデバイスを生かすための新しいテクニック」も解説している。
ちなみに前作『Windows 7 上級マニュアル』は、お陰さまで大ヒットしたのだが、今回の『Windows 7 上級マニュアル ServicePack対応版』は、この前作を超えるべく、新たなテクニックを追加した。すべてを一から描き直し、同じページはまったく存在しない「前作を超えた上級マニュアル」となった。
Windows 7は、OSとして大成功している。仮に新しいWindows OSが数年後に登場したとしても、Windows XPと同様に、かなり長い年月お付き合いをしていくことになる「市場に受け入れられたOS」なのである。
つまり、ここでWindows 7のシステム環境を再検討して、カスタマイズ実行やツール導入、環境整備を行っておくことは、決して無駄ではない。