もう皆さんの生活に溶け込んで当たり前のものになってしまったTwitterですが、Webプログラマー、Webデザイナーの皆さんはどのように活用されていますか。Twitter APIを使うと、Twitterの活用の世界が大きく広がり、Webサービスとして、自由に利用できるようになります。インタラクティブで新しいWebをTwitter APIで作ってみませんか?
みんなのTwitter
3月11日の震災のときに、携帯電話もつながらなくて、みなさん不便な状況になったことを覚えていますか。あのときはインターネットの回線は大丈夫だったので、Twitterを使って安否確認をされた方も多かったのではないでしょうか。いまやTwitterは社会的なインフラになったと言えます。Twitterの基盤はクラウドコンピューティング技術に支えられていますので、幸いにも災害に対しても丈夫なシステムでした。この話は説明すると長くなるので、さておき、皆さんがWebでブログを読んでいるときや、オンラインショップを眺めているとき、Tweetボタンとか気になりませんか。あのしくみを実現するのに、本書が役立ちます。でも、それにはいろいろ知らなければならないことがあります。
Twitter APIを使うにはどうすればいいのか
TwitterのAPIを使うには、おおざっぱに言うと検索APIなどはHTMLがわかればなんとかコーディングできてしまいます。それくらい簡単にできます。でも複雑なソフトを作りたい場合は、JavaScriptやPHP、RubyやPythonなどのスクリプト言語を使います。それとWeb APIに特有なOAuth認証の知識も必要です。本書では、まずTwitter APIの基本動作を学び、各種スクリプト言語を使用するための環境設定の方法も十分に解説しています。そしてOAuth認証のしくみもばっちり説明しています。この認証方法は皆さん知らずに使っていることが多いのですが、書籍としてきちんとした解説がされたのは本邦初かもしれません。このあたりのしくみは本書に説明をゆずりますが、一度プログラミングを体験していただければ、Web APIを利用した開発の楽しさや簡単さが引き起こす可能性に驚くはずです。
なぜTwitter APIなのか
余談ですが、Twitterはどうやって運営資金を得ているのでしょうか、実は皆さんがTwiterに書き込まれたタイムラインデータを、Google、Yahoo、Exciteなどの検索サイトに販売して売上げを得ています。最近サービスが終わってしまいましたがGoogleのリアルタイム検索は、Twitter社から得たデータを元に運営されていました。もちろん本書でも、そのことに触れています。皆さんの小さなつぶやきも、たくさん集まればビジネスの材料になるのですね。Twitter APIを活用できれば、ビジネスチャンスも広がります。本書はTwitterの全機能をつぶさに解説した唯一無二の本ですので、アプリケーションを開発したい方も、新ビジネスを考えている方もぜひ読んでみてください。
執筆者の山本さんからのメッセージ
本書の執筆者である山本裕介さんは、執筆するにあたり、Twitter APIを研究し続けて、2000あまり報告されているバグのうち約50本のレポートを米Twitter本社に報告するまでになりました。そして、現在のTwitterのソフトウェアに、山本さんが発見したバグの修正が反映されているそうです。まさに渾身の力を込めて書き上げた本なのです。