三橋貴明さんに聞いてみよう!

ネットの経済通の間で「ものすごい人がいる」と話題をさらって世に出ると、現在ではリアルの経済論壇で精力的に情報発信をしている三橋貴明氏。三橋氏の新刊悲観論に踊らされるな! ニッポン経済集中講義の特徴を「まえがき」から引用します。

執筆者側が一方的に情報を読者に伝えるのではなく、双方の質問や回答のやりとりにより「コミュニケーション性」を高め、より初心者でもわかりやすい経済書を書きたいと考えたのである。

具体的には、インターネットなどで「経済の初心者」を十名ほど募り、三橋がマクロ経済の基本について講義を行う。当然、出席者側は初めて聞く単語ばかりであろうから、質問が絶えないことだろう。出席者に質問をしてもらい、それに三橋が応えることで、読者が「本当に知りたいこと」を表現できると目論んだわけだ。

私たちが今ここで暮らす日本のこととはいえ、経済、とりわけマクロ経済の話は理論先行でつかみどころのなさがあります。また、ようやく株価には薄日が差してきたとはいえ、積み上がる政府の借金、減っていく人口、なかなか抜け出せないデフレ不況といった国内の問題、海外に目を転じても欧州の債務危機は根本的な解決にはほど遠い状態にあります。

「経済の初心者」が感じる疑問・不安・不満に三橋氏ならどう応えるのか。最後に、講義の中で発せられた質問をいくつか拾ってみます。⁠そうそう! そこが知りたかったんだ」というものがありましたら、ぜひ本書をご一読ください。

  • GDPの伸びが鈍かったり、あるいは前年比でマイナスになるのは、それほど深刻なことなのでしょうか?
  • 経済を成長させるには、政府が積極的に公共投資を行えばいいというお話ですが、日本の政府に、そんなお金はないんじゃないでしょうか?
  • 国内の貯蓄状況から見て、日本は国債をあとどれくらいまで発行できるのでしょうか?
  • 日銀が通貨を発行しすぎて、インフレーションに歯止めがかからなくなる可能性はありませんか?
  • 日本経済にとって好ましいのはインフレでしょうか、デフレでしょうか。あるいは、そのどちらでもない状態がベストですか?