LPICの位置づけ
IT系の資格の中で安定した人気を持つのがLPICです。LPICは国際的な非営利団体LPIによって運営されるLinux認定プログラムで、Linuxの技術力をアピールする最も標準的な資格です。
LPI認定には、レベル1、レベル2、レベル3の3種類があります。本書は基本的な操作や設定を行えるかどうかを判断するレベル1に対応したLinuxの教科書です。レベル1ではファイル操作や簡単なサーバ構築などの知識があるかどうかを判断されます。おおよそ半年~1年程度の、Linux業務経験が想定されています。
本書は、Red Hat系ディストリビューションとして広く利用されているCentOS 6を実行環境として想定しています。Linux初心者を主な対象として、Linuxの操作に自信が持てるよう、順を追って学習できる構成になっています。
本書の構成
本書は三部構成になっています。
「第1部 Linuxの基本操作」では、ごく基本的なLinuxの操作と、ファイル管理、ユーザー管理について解説します。多少のLinux経験があれば、ざっと流し読みする程度で構わないでしょう。
「第2部 基本ツールの活用」では、主にviエディタとシェルの扱いについて取り上げます。シェルの機能やシェルスクリプトについての理解が進むと、Linuxの扱いも格段に効率的になるはずです。
「第3部 システム管理入門」では、Linux管理者として求められるシステム管理の基本を解説します。パッケージ管理、ファイルシステム管理、ネットワーク管理など多岐に渡っていますので、一つ一つ確実に理解するようにしてください。
演習を行いながら学習を
本書ではLinux運用・管理の基本について、できるだけ実際の利用シーンを想定しながら執筆されています。CentOSは図のWebページよりダウンロードすることができます。繰り返し実機(実際のLinuxサーバ)で演習を行いながら学習を進めてください。
図 CentOSのWebページ