高価な実験機材が使い放題の贅沢さ
子供のころ、理科室で豆電球やモーターを使って電気の実験をしたときのわくわくした感覚が、おもわずよみがえってくるのが電子回路シミュレータ「TINA」です。
パソコンの画面上にマウス操作で電子部品を配置して、回路図を描けば、その動作がシミュレーションされて画面で観られる。その手軽さは、まさに現代版電子ブロックです。
といっても、機能と性能は世界中の企業・教育機関で長年の利用実績をもつプロユース仕様ですから、大規模な製品開発でもその力を存分に発揮する実力派です(TINAは米テキサス・インスツルメンツ社公式シミュレータ)。
収録部品はトランジスタやオペアンプなどのアナログ部品はもちろん、デジタルICやA/D・D/Aコンバータなど、どんな回路にも対応できる充実ぶり。それにマルチメータやオシロスコープ、シグナルジェネレータ、ロジックアナライザなどの測定機材まで、一流の研究室にもひけをとらない実験機材が揃っていますから、ソフトをインストールするだけで本格的な実験環境が整います。
子どもと一緒に実験できる3D表示機能
回路シミュレータの最大の利点は、回路各部の信号のようすが目で見て確かめられることです。教科書ではわかりづらい回路のしくみが、波形を追っていけば簡単に理解できてしまいます。そして部品の値を変えてみれば、部品個々の役割も一目瞭然。難しい数式で書かれた教科書はもう必要ありません。
万一、回路を失敗しても、実際の回路のように煙が出たり、部品を壊す心配もありません(画面上で壊れたように表示される部品はありますが)。
また、TINAの3D表示機能を使えば、実際の部品の形で画面表示されて動作するので、それこそ小学生でもたのしく実験できます。
本書は、試用期限のない最新のTINA9日本語・Book版と豊富なサンプル回路を収録した、電子(アナログ)回路、デジタル回路のしくみを直感的に覚えたい方、回路を設計をしたい方のためのおすすめの一冊です。