「クラウド」という言葉は一昔に比べてだいぶ身近なものになってきました。パソコンやスマートフォンでクラウドに接する機会が多くなり、自分のメールやスケジュールをクラウドで管理している人も多いでしょう。しかし、企業のシステムのクラウド化となれば、そう簡単に移行できるものではありません。ここでは、企業におけるクラウド導入のメリットとデメリットについて簡単に説明します。
クラウドのメリット
企業がクラウドを導入する際、メリットとして一番に注目されるのはやはり「コスト削減」でしょう。自社システムの管理/維持費用、それらにかかる人件費などがクラウド導入によって効率よく運用できれば、多くの場合コスト削減に結びつきます。
また、アクセスの増加や減少に合わせて柔軟にシステムが変更できるのもクラウドの持つメリットです。サーバーへのアクセスが集中したので、1カ月だけ倍のサーバーを用意したいといった要望にもクラウドならすぐに応えられます。
さらに、最近ではスマートフォンの機能も向上しているため、会社のシステムをクラウドを経由してモバイル環境から利用することもできます。外回りの社員が多い企業やリアルタイムな報告が必要な企業などにはとても便利になりました。
クラウドのデメリット
クラウドを利用するにあたっては、デメリットについても理解しておく必要があります。
クラウドの導入によって一番気になるのはセキュリティでしょう。セキュリティの強化を目的にクラウドを導入する例もありますが、そもそも、そのセキュリティが信頼できるものでないと意味がありません。場合によっては、本当に重要なデータだけは自社で管理するといった使い分けも必要になるでしょう。
また、クラウドは基本的に外部ネットワークを使うため、通信環境が安定している必要があります。極端に言うと、ネットワークが使用できなくなってしまえば何もできなくなってしまいます。
技術的な問題としては、今まで使用していた自社システムをクラウドに移行することが必ずしもすぐにできるわけではないということがあります。システムが大規模なほど、移行は困難になるでしょう。移行期間もテストを重ねてから運用するため、場合によっては数年かかることもあります。
このように、クラウドを導入するには、メリットとデメリットを理解したうえで、自社にあった形態で導入する必要があります。
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