匠の技を余すことなく伝授! 「電子工作」「電子機器修理」が⁠うまくなる はんだ付けの職人技

はんだ付けは、ものづくりの基本中の基本技術です。男性であれば学生時代に技術工作の授業ではんだ付けを習った経験があるはずです。今でも自宅の家電製品を修理するために使っている方もいるでしょうし、電子工作を趣味として日曜ごとにはんだごてを握っている方もいるでしょう。はんだ付けは誰でもできる近な工作技術なのです。

しかし、一口にはんだ付けと言っても、接合が悪いと故障や動作不良の原因となってしまいます。たとえば写真1写真2を比べてください。写真1は達人によるはんだ付けです。はんだが富士山のような形になっていて、表面が光沢を放っています。これはフィレットと呼ばれ、良質なはんだ付けの目印です。一方、写真2は加熱不足による不良なはんだ付けです。これでは時間が経過したり、部品に何か力が加わったりすると、簡単に外れてしまいます。

写真1
写真1
写真2
写真2

では、上手なはんだ付けをするためにはどういった点に注意すればいいでしょう。まず、こて先が十分温まるまで加熱することが大切です。こて先に溶けたはんだが濡れ広がれば大丈夫です写真3⁠。はんだが溶けずに流れないのは加熱不足です。逆に、はんだが流れず球になってしまうのは加熱しすぎです。

写真3
写真3

実際にはんだ付けする際には母材をしっかり固定しておくことが重要です。作業中に母材が動いたり、抜け落ちてしまうとはんだ付け不良を起こします。また、母材をこて先で温めておくと上手くできます。そのためにも母材の形状にあったこて先を選ぶ必要があります。はんだのこて先は3万種以上もある写真4と言われていますので、正しい道具の選び方も上達への近道と言えるでしょう。

写真4
写真4

本書ははんだ付けを豊富な写真を交えて順を追って解説します。成功例だけでなく、あえて失敗例も掲載してあるので、正しいはんだ付けの技術が手に取るようにわかります。入門者にははんだごての選び方から持ち方、正しい姿勢など基本技術を中心に、上級者にはプリント基板やケーブルなど用途に合わせたはんだ付けを解説します。