過去問から合格へのプロセスを導く

まずは基礎を押さえる

平成26年度の春期情報処理技術者試験が終わったばかりではありますが、秋期のネットワークスペシャリスト試験を受験しようとする方にとっては、これからが勉強の本格的なスタートですね。

まずは、ネットワークの基礎知識を押さえること、これが基本の学習です。とはいっても、ただ参考書を読むだけでは、なかなか知識は身に付きません。読んだものを頭の中で理解した上で、自分なりに「ノートにまとめる」こと、これが大事です。ネットワークの知識を体系的に整理しておきましょう。

実務による学習

実務での経験はネットワーク理解の重要なステップです。参考書で基礎知識を整理しつつ、実務経験を重ねることで本質的な理解ができます。とはいっても、実務ではなかなか経験を積む機会がないこともあるでしょう。そんなときには自宅での実機学習がお勧めです。たとえば、無料ソフトを使って仮想サーバを立て、Webサーバやメールサーバなどを運用してみると、とてもいい勉強になります。また、日頃からネットワークの仕組みを意識して、自分のパソコンの設定を見てみたり、動作を確認するのも大事です。

過去問を演習は繰り返し

受験者ならば、過去問題にあたることは必須です。午前の選択問題を解くことで基礎知識が確認できますし、繰り返し出題される問題も多いからです。そして、ネットワークスペシャリスト以外の試験の過去問―基本情報技術者や、応用情報技術者のネットワーク部分の午後問題にあたるのも有効です。なぜなら、特定の技術に関する基礎知識が問題文にまとめられているからです。問題文を読み解いて理解することもとてもよい勉強になります。

そしていよいよ、難解な午後問題の演習へ。本番さながらに時間を計って取り組んでみてください。おそらく1回めの結果はボロボロの方が多いのでは。でもここで諦めずに、⁠何が不足していたのか」を考えて、さらに学習に取り組んでください。

本書ネスペの剣 25では、午後の過去問題を通して、合格するための「問題の読み方」⁠解答の導き方」⁠答案を書くコツ」を解説しています。ネットワークの知識や技術があるのに正答にたどりつけない人は、⁠解答を導き出す能力が不足」していることが多いもの。答えを見ると「なんだ、そんな単純な答えなのか」と思うようです。こういう人は、正答を導き出すプロセスを理解することが大事です。問題文にちりばめられたヒントを探し、それを活用して、設問の意図に合った答案を指定文字数内で組み立てていく演習を繰り返し行っていきましょう。最初から立派な答案は書けません。過去問を2回、3回と繰り返し解くことによって精度が上がっていきます。

本書では、過去問は4年分を3回ずつ解くことをお勧めしています。間違えた問題だけでなく、正解した問題も含めて解き直します。再度取り組むときはしばらく時間を空けてからのほうが効果的です。何度も繰り返し過去問に取り組むことで、⁠問題で扱っている技術・知識」⁠正答を導き出すプロセス」⁠答案の書き方」の理解がぐんとレベルアップしていくことでしょう。

秋試験まで長いようであっという間です。本書が受験する皆様のお役に立てれば幸いです。ご健闘をお祈りします!