企画書とは別モノの事業計画書
「事業計画書」――言葉はどこかで聞いた覚えがあるけれど、現物は見たことがない。そういう方は多いのではないでしょうか。
企画書を提案したり、その可否を決裁したりということは、さまざまな職場でルーティン業務として行われています。企画書と比べて事業計画書を目にする機会が少ないのは、その用途が少し特殊といいますか、日常的にやりとりされるようなものではないということが理由として挙げられます。
事業計画書を作成する目的を非常にざっくりと表現すると、「その事業を金融機関などのスポンサーに認めてもらって、必要資金を引き出すこと」となります。ここでの「事業」には主に次の二つがあります。
- 起業家として一から起こす事業
- 新プロジェクトなど会社内で立ち上げる新規事業
スライドを見てみよう
この二つの事業では、人・モノ・金・情報について網羅しようとすると、企画書だけではカバーしきれないところが出てきます。そこで必要になるのが事業計画書。企画書はA4一枚にまとめるのが美しいという声をよく聞きますが、事業計画書はさすがにペラ一枚というわけにはいきません。
一般的に事業計画書はMicrosoft OfficeのPowerPointで作成することが多いようです。「だいたいこれくらいの分量で」といったルールがあるものではなく、短めの事業計画書でもPowerPointのスライド10枚程度、長いものになるとスライド40~50枚といった計画書もあります。
事業計画書の実際の作成法は5月発売の新刊『マネして完成!事業計画書――10業種36の事例で事業計画のまとめ方がよくわかる』に譲るとして、ここでは本書で取り上げている「36の事例」の一つをピックアップして、そのスライドのいくつかをご覧いただきます。
- タイトルページ
- 複数枚のスライドからなる事業計画書には「顔」となる表紙が必要です。
- コアコンピタンス(市場での優位性)
- これから展開する事業が、なぜ市場の中で勝つことができるのか、市場優位性を明らかにします。
- ビジネススキーム図
- ビジネスモデルを説明する際に、よく使われるビジネススキーム図。お金や商品、情報などのやりとりを図示します。
- 損益計画
- 事業計画書には年度ごとの損益やキャッシュの増減などをシミュレートした数値に基く計画が必ず必要になります。
