そろそろボーナスの使い道も決まり、コンパクトデジカメから一眼レフやミラーレス機に乗り換えた方も多いのではないでしょうか。また、スマートフォンでの撮影で写真の楽しさを知り、レンズ交換式カメラを購入される方もいらっしゃるでしょう。手に慣れた機材から新機種に乗り換えたときには、マニュアル解説書を購読して新しい操作を身につけることができます。ところが撮り慣れた“被写体”は、撮影し始めた頃の新鮮な視点を失ったり、失敗のない馴染んだカメラ設定の繰り返しで、新たな作品制作に挑戦する意欲が失われることも。
「いつも同じような写真になってしまう」…マンネリ写真に陥ってしまったら、次の三つの改善策を試してみてはいかがでしょうか?
1.これまでとは異なる視点で被写体を観察する
好評発売中の『上手になりたい人のデジタル一眼「撮影」入門』では、EOS学園の講師・並木隆さんが写真上達の極意と脱マンネリ写真のための流儀を、次のように教えてくれます。「先入観を捨て、自分の好みに気づく」「あらゆる角度から被写体を観察する」。たとえば、子ども写真はニコニコ顔である必要はなく、泣いてぐしゃぐしゃの顔、遠くを見つめる大人びた横顔、小さな素足だけのカットなどは、いつもの成長記録とは異なる一瞬を表現できるでしょう。
2.これまで関心のなかった被写体に目を向ける
道具を新しくして気分を変えるように、いままで写真を撮る対象として見ていなかったものを捉えてみると、とても新鮮で写欲が湧いてきます。花火や星空、繊細に輝くホタルの光跡など、肉眼で楽しんできたシーンを心象風景のまま写真に収めるなんて、わくわくしませんか? ここで挙げた被写体の撮影には、特別なカメラの設定や後処理もあり、これまでの写真生活とは別次元の楽しさや喜びを感じられるかもしれません。
「ホタル」
EOS学園講師・田中達也氏
「花火」
EOS学園講師・田中達也氏
どう頭を捻っても「何を撮っていいかわからない」という方には、同書監修者の秦達夫さんおすすめの「祭り」はいかがでしょう。晴れの日のイベントは、撮影者を非日常の世界にあっという間に引き込み、気がつけば夢中になってシャッターを切っているに違いありません。
「祭り」
シリーズ2冊の監修者・秦達夫氏
3.これまで以上に被写体について深く知る・考える
たとえば、「きれいだな」と感じパチリと何気なく写真に収めてきた野の花も、撮影前の下調べで名前や開花時期、変種などの情報を知得ることで、ベストカットへのこだわりが深くなります。風景写真でも、地球環境の変化による景色の移ろいに気がつくと、以降の作品テーマに大きな影響を及ぼすことでしょう。
EOS学園の人気講師が教える!シリーズの第一弾「入門編」と第二弾「上達編」では、多くの被写体を紹介し撮影のテクニックや作品制作のための視点を解説しています。パラパラと眺めて“これは!”と感じた未知の被写体撮影に、この夏、チャレンジしてみるのはいかがでしょう。