プログラミング言語の超新星
iPhoneアプリ開発のスタンダードは目まぐるしいスピードで変わりつつあります。理由はSwiftの登場です。
アップル社は2014年6月の開発者向けカンファレンス「WWDC」において、この新しいプログラミング言語を発表しました。そしてSwiftは、瞬く間に人気プログラミング言語の仲間入りを果たしました。
下段に掲載のグラフは、RedMonkというソフトウェア業界専門の分析会社が作成したものです。縦軸はStack Overflowというプログラマーのコミュニティサイトにおける人気度を、横軸はGitHubという開発プロジェクト共有サービスにおける人気度を示しています。右上に位置する言語ほど、人気度が高いことになります。Swiftは、左下の数多あるプログラミング言語を押しのけて、ものすごい勢いで右上のポジションに上り詰めていることがわかります。Swiftが公開されてからわずか10ヶ月の話です。
RedMonkによる人気言語調査
Swiftはなぜ人気なのか
Swiftはアップル社が認めたObjective-Cの正統的な後継言語です。そして、非常に優れた言語仕様となっています。
Swiftの特徴は4つあります。
- 1.モダン
JavaScriptやRubyといった新しいプログラミング言語の仕様を参考に開発されており、洗練されたプログラミングができます。
- 2.安全
プログラムの記述ミスによって生まれるバグが起こりにくい文法になっています。
- 3.高速
従来の開発言語Objective-Cよりも、処理が高速になっています。
- 4.インタラクティブ
Playgroundというツールを使えば、リアルタイムで処理結果を確認することができます。
また、文法的にObjective-Cより簡潔な記述が可能になっています。一例を挙げましょう。
Objective-Cでの書き方
priceLabel.text = [NSString stringWithFormat:@"%d", price];
Swiftでの書き方
priceLabel.text = "\(price)"
バックスラッシュに続けて括弧内に変数を直接記述できるようになっており、文字列の扱いが楽になりました。
なお、Swiftに問題点があるとすれば、現在進行形で言語の仕様がアップデートされていることでしょう。最近では、4月9日にバージョン1.2にアップデートされました。仕様の頻繁なアップデートは、生まれたての言語にはしかたのないことかもしれません。
人気スクールの授業を再現
さて、新刊の『No.1 スクール講師陣による 世界一受けたいiPhoneアプリ開発の授業』は、これからiPhoneアプリを作ってみたい、という方に最適な書籍を目指しました。
本書の最大の特徴は、アプリ開発専門スクール「RainbowApps(=レインボーアップス)」の現役の講師陣が執筆していることです。そのため、RainbowAppsの授業形式を紙面上で再現することを編集方針としています。いくつものアプリを作りながらアプリ開発の基礎を身に付けるという方式になっているので、楽しく学習できます。実際にスクールで授業を受けているような感覚を体験できるでしょう。
そして、本書はSwiftで解説しています。Swiftの超やさしい入門書としてもお読みいただけるでしょう。