仕事でもプライベートでも、誰かに何かを「教える」機会はたくさんあります。にもかかわらず、私たちは今まで「上手な教え方」について教わる機会はありませんでした。
本書『上手な教え方の教科書』は、インストラクショナルデザインという学問の考え方をベースに、どうすれば効率的に教えることができるのかを、話し言葉でやさしく解説します。また、親しみやすいマンガがあちこちにはさみこまれているので、すばやく「上手な教え方」の全体像をつかむことができるでしょう。
今まさに、教え方に悩んでいる方は、ぜひお手にとってみてください。
楽しいマンガで堅苦しくなく「上手な教え方」のコツが理解できます!
本書「はじめに」より
本書で解説するインストラクショナルデザインとは、「教えることの科学と技術」です。この本を手にしている大部分の人は、「教える」ということを職業にしている人ではないかもしれません。たとえ、そういう人であっても「教えることの科学と技術」を学ぶ必要があるのでしょうか。答えは「Yes」です。教えることを仕事にしている代表は学校の先生ですが、先生でなければ教えられないということはありません。
それどころか、仕事でも日常生活の中でも、私たち全員が「教える」という行為をしなくてはなりません。たとえば、子どもに勉強を教える、職場で新人に仕事を教える、おじいちゃんにケータイの使い方を教える、などなど。そして、もしうまく教えることができたら、相手は喜び、仕事ははかどり、教えた私たちも喜びを得ることでしょう。
運動技能をむりなく教えるための「スモールステップの原則」など、上手な教え方の技法を、話し言葉でやさしく解説しています
インストラクショナルデザインは、私たちが誰かに何かを教えなければいけないとき、「効率の良い上手な教え方」を提供してくれます。単なる経験則や人生訓ではなく、科学的に効果的な教え方を追求するのがインストラクショナルデザインという学問です。この本では、インストラクショナルデザインの考え方、理論、そして実践への応用について説明しています。
この本を読めば、あなたは自分の教え方に自信を持つことができるでしょう。そして、実際に教えていく中で、自分の教え方を改善することができるようになるでしょう。そして、何よりも教えることを楽しんでできるようになることでしょう。楽しいマンガとともに、この本の内容をあなたの仕事や生活の中で活かしてください。
向後千春