スマートフォンでもパソコンでも、はたまた街や電車の各種ビジュアルでも、イラスト、マンガ、写真をはじめとしたさまざまな「デジタル画像」(Digital image)に接する機会が日々増えてきました。コンピュータの性能が上がり、2Dグラフィックスも3Dグラフィックス(2-dimensional/3-dimensional computer graphics)も、ますます精細で、リッチな表現が可能になっています。
そんなデジタル画像も、画面表示を見れば「点」の集まり。と言ってしまうと簡単なようですが、意外と専門用語が多い、デジタル画像の世界。本記事では、プリインストールなどで身近な2Dグラフィックスツールにおける「画像フォーマット」を中心に知っておきたい基本キーワードを見ていきましょう。
イラストも、写真も、画面で見れば点(ピクセル、Pixel)の集まり
- 画像ファイル(Image file/Graphics file)
その名のとおり、画像データを収めたファイル。以下で紹介するpngやjpegといった拡張子でお馴染み。デジタル画像は、それぞれの画像固有の、大きさ(幅や高さ)、解像度、どの画像フォーマット(後述)で保存されているかなどの情報が、通常ファイルにまとめた状態でコンピュータに保存されています。画像ファイルを扱うアプリケーションからその形式を識別したり、大きさをすぐに取得したりできるように、多くのファイル形式において、ファイル先頭部分にファイルヘッダ(File header)という特徴的なデータがまとめられています。
- 画像フォーマット(Image file format/Graphics file format)
画像ファイルには種類があり、それぞれどのように画像をファイルにまとめるかを定めたのが画像フォーマットです。画像フォーマットの種類としては後出のJPEGやPNGなどがあり、フォーマット(仕様)と言うからには、それぞれの形式でデータの中身は異なります。どのような情報を含むのか、ピクセルはどの順番でどのように格納されているのか、データ圧縮されるのかなどが定められています。
- PNG形式(Portable Network Graphics)
Webブラウザやグラフィックツールで普及している、インターネットにおいては現在の主流とも言える画像フォーマット。圧縮率が高い一方で、圧縮による画像の劣化がなく、「Portable Network Graphics」の名のとおりネットワークを介した使用に適した仕様で、グラフィックスで重要度の高い「透明」の情報も保存できます。読みはピーエヌジー、ピング、ピンなど。
- JPEG/JPG形式(Joint Photographic Experts Group)
デジタルカメラの写真データでよく使われる画像フォーマット。Webブラウザでも扱われます。一般には不可逆のデータ圧縮として使われ、大きな圧縮率が特徴。不可逆処理によりブロック単位の処理により発生するブロックノイズのようなノイズが混入しやすく、画像が劣化しやすい点には注意が必要です。ファイル拡張子はjpgやjpeg。
- GIF形式(Graphics Interchange Format)
256色のインデックスカラーの画像を扱うことができる、可逆のデータ圧縮方式のフォーマット。Webを中心にJPEGと同時代に使われてきた経緯があります。アニメーション用のデータを保存できる「アニメーションGIF」をサポートするのが特徴的。かつては特許の問題が指摘されていましたが現在は自由に使えるフォーマットです。読みはジフ。
上記のほか、画像フォーマットには、PSD形式(Photoshop Data)やSVG形式(Scalable Vector Graphics)形式などもあり、また、グラフィックツールごとに用意されている専用画像フォーマットなど、まだまだあります。そして、それぞれのフォーマットを大別して、たとえば、基本方式としてはビットマップ(ラスター)形式かベクター形式か、あるいは両形式のデータを扱えるかなど、数々の違いがあります。
用途や場面で、どのフォーマットにしたらいいの? など気になるところです。まずは、2Dグラフィックスからデジタル画像の世界へ、少し詳しく知ってみませんか。