自分のWebサイトをGoogleの検索結果の上位に表示させ、そこからの集客を実現させる…。これが、いわゆる「SEO」、つまり「検索エンジン最適化」です。これまで行われてきたSEO対策は、その名の通り、検索エンジンに対して、いかにして自分のWebサイトを最適化させるか、ということを考えるものでした。つまり、Googleに代表される検索エンジンに、いかにして自分のWebサイトを気に入ってもらうか、ということに主眼が置かれていたのです。
そのため、Googleが発表する「評価の基準」や、「基準の変更」に対して常にアンテナを張り巡らせ、検索順位の変動があった場合は、その理由がどこにあるのか、くまなく分析する。それによって、Googleが何をよしとし、何をよしとしないのかを判断し、自分のWebサイトをそれに沿った形へと修正する。これが、SEOの標準的な方法論でした。
残念ながら、といってよいのかはわかりませんが、この傾向はこれからも続くはずです。検索エンジンの市場は、今後も変わらずGoogleが大きなシェアを握り続けるでしょう。そして、インターネットのルール≒Googleのルールという状況もまた、今後何年にもわたって続いていくはずだからです。
しかしこのような状況下でも、Googleのご機嫌伺いをしているだけでは、後塵を拝してしまう、そんな時代が到来しつつあるのかもしれません。なぜなら、Googleの発表や検索結果の変動を見てからSEOを行ったのでは、常に「後追い」となることを免れないからです。
検索結果の表示は、いわばWebサイト同士の競争、レース結果と同義です。つまり、どのWebサイトが、まっさきに適切な対策を行い、まっさきにGoogleに評価され、まっさきに上位表示を手にすることができるか、その勝負なのです。熾烈な競争が行われている分野(キーワード)ほど、一歩の遅れが大きなロスを生みかねません。その意味で、「後追い」はリスクと同義になりうるのです。
そこで必要になってくるのが、「顧客思考」という発想です。Googleが、自らの評価基準をどこに置いているのか、考えてみてください。Googleの「お客様」は、検索をしにやってくるユーザーです。ユーザーがGoogleで検索を行い、その結果、適切な情報が得られたと思えば、またGoogleにやってくるでしょう。しかし不満が残れば、次回は別の検索エンジンを選択するかもしれません。Googleは、自らの検索の精度を上げ、顧客に満足してもらうために、ルールを改善し、ユーザーが求める情報がより上位に表示されるように、努力しているわけです。
Googleの顧客は、イコール皆さんのWebサイトの顧客でもあります。これからのSEOは、顧客本位のWebサイトとは何かを考えることで、Googleの「後追い」ではなく、Googleの「先を行く」思考を働かせることが必要となってくるのです。それによって、将来起こりうるルールの変更にもあらかじめ対処を行い、より本質的な部分で、Google、さらにはその先にいる顧客のための施策を行うことができる、というわけなのです。「Google」思考から「顧客」思考へ。その転移に、今こそ挑戦してみてください。