セキュリティ管理の重要性
スマートフォンでの銀行振り込み。SNSでどこでも友達と連絡できる。こんな身近な例はもちろん、企業の経済活動・行政サービスなどまで、情報化の進展により、われわれの生活は確かに便利になりました。
しかし、情報化により利便性が格段に上がる反面、セキュリティ事故による損害もうなぎのぼりに上がっています。2015年の日本年金機構の個人情報が外部に流出した事故が記憶に新しいところですが、この事件では、基礎年金番号の変更など、直接的な対応費用として8億円以上かかったそうです。2014年に発覚したベネッセコーポレーションの個人情報流出事件では、2000万件以上の情報が流出し、補償額は200億円以上にのぼりました。さらに、信用失墜などの間接的な被害も重大で、回復するには相当の時間がかかりそうです。
今年は個人番号、いわゆるマイナンバー制度の導入という大きなトピックもあります。情報セキュリティ管理の重要性は高まるばかりです。
情報セキュリティマネジメント試験の開始
そのような流れを受けて、情報セキュリティマネジメント試験が2016年4月に開始されます。国家試験である情報処理技術者試験の一分類であり、情報セキュリティの考え方、実践規範、各種対策、ネットワーク、データベースなど、情報セキュリティを維持していくうえで必要な知識が幅広く問われます。業務で個人情報を扱う方、業務部門・管理部門で情報管理を担当する方には必須の試験だといえるでしょう。情報セキュリティ管理の知識・スキルを身に付けたい方にもお勧めです。
試験は午前と午後にわかれています。午前試験では4択の問題が50問、午後試験ではケーススタディによる多肢選択式の問題が3問出題され、それぞれ90分ずつの解答時間が与えられます。
試験レベルとしては基本情報技術者試験と同じレベル2ですが、問題数や試験時間は基本情報技術者よりも少ないので、試験対策にかかる負担は重くはありません。ITパスポートからのステップアップにもちょうどよさそうです。
試験は4月と10月の年2回です。4月の試験の申し込みの締め切りは2月26日(金)20時です。試験センターのWebサイトで手軽に申し込みができますし、最初の試験は合格率が高いという伝説もあります。とりあえず出願してみてはいかがでしょうか。受験料は5700円と、ベンダー試験などに比べても格安となっています。