ここ数年、Microsoftはクラウド(Azure)、Linux、オープンソースに力を入れています。この背景には、大企業のサーバ、データセンター、クラウドの分野でLinuxのシェアが高まっているという業界動向があります。2011年で65%と45%だったLinuxとWindowsの同分野での導入率が、2014年には79%と36%と、その差をさらに広げたというレポートもあります(参考:「2014 Enterprise End User Report」The Linux Foundation)。
さて、ここでようやく本書の出番となるわけですが、書名にある「Vim」と「Emacs」は、どちらもUnix/Linuxのシェル上で動作するテキストエディタとして誕生しました。いまではGUI版として独立したウィンドウでも動作します(Mac OS X用とWindows用もあります)が、もともとはシェルでのOSとの対話中にテキスト編集が必要になったときに起動し、シェルとエディタを行き来して使います。VimとEmacsはそのような使われ方を前提に洗練されてきたため、マウスは一切使わずキーボードだけでシェルのコマンド実行(つまりコンピュータの操作)とテキスト編集作業が行えます。