iPhoneやApple WatchでSuicaが使える!

「おサイフケータイ」機能を搭載

iPhoneの新モデル、iPhone 7とiPhone 7 Plusが9月に発売されました。iPhoneの新モデルの発売は毎年恒例ですが、今回は今までのiPhoneとは大きく異なる点がいくつかあります。

まず、ついにiPhoneが防水になりました。水の中でジャブジャブ使えるわけではありませんが、雨や水の中にちょっと浸かる程度なら問題なく利用できるでしょう。雨の日やプールサイドでも神経質にならずにすみます。ただし、水濡れによる破損は保証対象外なので、あまり過信しないようにしましょう。

そして、もっとも大きな変化といえるのが、FeliCa機能の搭載です。FeliCa機能といってもピンと来ない人もいるかもしれませんが、FeliCa機能によってモバイルSuicaをはじめとした「電子決済、いわゆるおサイフケータイ」機能がiPhoneで利用できるようになったのです。また、iPhone 7やiPhone 7 Plusだけでなく、同時に発売されたApple Watch Series 2と連携させることで、iPhone 5以降のiPhoneでも電子決済機能が利用できるようになります。

なお、iPhone 7での電子決済機能は、Apple Payから利用することになりますが、実際に機能が提供されるのは10月末といわれており、本稿執筆時点(10月中旬)ではまだ様子がわからない状態です。

たとえばモバイルSuicaの利用法ですが、JR東日本の発表によれば、従来のSuicaカードをiPhone 7やiPhone 7 PlusにタップするだけでApple PayにSuica情報を移行でき、チャージや定期券の更新も、Apple Payに登録したアメリカン・エキスプレス、MasterCard、JCBのクレジットカード、ビューカードから簡単にできるようになるとしています。

この文章が皆さんの目に触れるころには、iPhone 7で電子決済が利用できるようになっていると思いますので、より詳細な情報が公開されていることでしょう。

日本でしか売られないiPhone

FeliCaとは、ソニーが開発した非接触型ICカードの技術方式です。そのため、スマートフォンの機能としては、日本の携帯電話会社から発売される携帯電話やスマートフォンのみに搭載されていた機能です。香港の交通カードにあたる「オクトパスカード」はFeliCa規格ですが、香港で販売されているスマートフォンなどにはFeliCa機能は搭載されていません。

一方、世界的にはFeliCaと似た機能を持つ規格として「NFC」が採用されており、海外で販売されているスマートフォンでは、このNFCを利用した決済サービスが利用できるものがあります。ちなみに、iPhone 7とiPhone 7 Plusでは、NFCも利用することができます。

日本の携帯電話は、従来海外とは異なる独自規格や仕様を搭載しており、⁠ガラパゴスケータイ」などと揶揄されていましたが、今回はiPhoneがこのガラパゴス規格を採用したことになります。

また、これまではほぼ全世界で共通のハードウェア仕様であったiPhoneですが、今のところFeliCa機能を利用できるのは、日本で発売されるiPhone 7とiPhone 7 Plusのみとなっています。つまり、今回日本で発売されるiPhone 7とiPhone 7 Plusは、日本の規格に合わせた独自仕様のiPhoneというわけです。