問題解決の手順とICT

問題解決におけるコンピュータの役割

情報社会で問題解決をする際に、どのように情報やICT(Information and Communication Technology)を活用するか、について考えます。

問題解決を能率よく行うには次のような手順にしたがうとよいとされています。また、その過程で情報やICT をどのように活用するかが重要なポイントになります。

1.問題を把握する

問題があること、つまり現実と理想の間にギャップがあることを認識して目指す目標を設定する。目標は解決過程で変更することもある。

  • 【インターネット検索、Twitter、ブログなど】
2.問題を分析する

問題の原因は何か、どのような種類の問題か、類似の問題が過去に見当たらないか、そのときの解決策を参考にすることはできないか、現状と目標との間にどのような課題があるかなど、問題を合理的に分析して現状を明確化する。

  • 【インターネット検索、表計算ツール、テキストマイニングツールなど】
3.解決方法を策定する

自分や人の過去の経験を参照する、必要な情報を収集、整理、分析する、適当なツール(ソフトウェアやインターネット上の情報サービスなど)や各種の発想法などを利用するなどしてひとつ以上の解決策を立案する。

  • 【インターネット検索、表計算ツール、プレゼンソフト、メッセンジャーなど】
4.解決策を実施する

策定した方法を実際に試してみる。実際に試すことが難しければ、コンピュータなどを利用したシミュレーションなどを利用する。その結果によっては解決策の手直しを行い再度実施してみる。

  • 【シミュレーションソフト、スーパーコンピュータなど】
5.結果を評価する

実施した解決策について評価を行う。十分な解決策ではなかった場合はその原因を特定し、一定の評価ができる解決策が得られた場合はさらによい解決策を得るための検討を行う。理想的な解決策が得られた場合は、別の問題解決に再利用できるような形に整理して記録しておく。

  • 【ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンソフト、ブログなど】

情報社会と問題解決

問題解決で情報通信ネットワークが役立つ場面としては、情報を収集したり発信したりする場面と、さまざまなコミュニケーションや情報を共有する場面があります。

例えば、インターネットを利用すると、無料あるいは有料でさまざまな情報を得ることができます。

また、テキスト、画像、映像などさまざまな形態の情報を簡単に発信でき、世界中のあらゆる人に自分の意見や考え方を伝えられます。

「電子メール⁠⁠、⁠Twitter⁠⁠、⁠Facebook」などを利用すれば時間と場所に制約されずにコミュニケーションできます。また、⁠電子会議システム⁠⁠、⁠メッセンジャー⁠⁠、⁠Skype」などを使えば、いつでもどこでもリアルタイムのコミュニケーションが行えます。

さらに、必要な情報をインターネット上に蓄積して仲間内で共有する仕組みが提供されています。これらは、コンピュータの⁠高速な情報処理⁠と、世界中に張り巡らされた高速な情報通信ネットワーク(インターネットなど)による⁠広範囲な情報流通⁠の恩恵だといえます。

情報社会では問題解決を頻繁にグループで行います。なぜなら、個人で行う問題解決と比べて、効率的に質の高い解決策を得られるからです。その際に欠かせないのが、情報通信ネットワークによるコミュニケーションや情報の共有なのです。

なお、本文章は『よくわかる情報リテラシー』の10章を抜粋して紹介しています。もっと詳しく知りたい方は改訂新版 よくわかる情報リテラシーをご覧ください。