ハイレゾ=大容量
音楽を聴くなら、なるべく高音質で楽しみたいというのは、誰しも思うことでしょう。しかし、デジタルの音楽データの場合、基本的には高音質になるほど、容量は大きくなります。
たとえば、音楽ストリーミングサービスなどで使われているMP3形式の音楽ファイルは、5分程度の曲で10MB程度の容量になります。一方、音楽CDの音楽データの形式であるWAV形式の場合は、同じ曲でも約50MBぐらいになります。
音楽データの音質を決める大きな要素は、音声をデータ化する際のサンプリング周波数とビットレートです。単純にいえば、サンプリング周波数は時間軸をどれだけ細かく区切っているのか、ビットレートは音量をどれだけ細かく区切っているのかという数字です。同じファイル形式であれば、理論上、この数字が大きい方が音質が良くなります。音楽CDの曲データは、サンプリング周波数が44.1kHz、ビットレートは16bit(2の16乗)のデータと決められています。
そして、この音楽CDのデータよりも高音質ということで注目されているのが「ハイレゾ」と呼ばれる、音楽データです。
ハイレゾはハイ・レゾリューション(高精細)の略で、広義ではCDの音楽データより高いサンプリング周波数とビットレートの音楽データのことですが、最近は一般社団法人日本オーディオ協会がハイレゾロゴマークを表示できる製品の規格として定めた「96kHz/24bit以上のWAVもしくはFLAC形式のデータ」をハイレゾの指標とするのが一般的です。
そのため、ハイレゾのデータはCDのデータよりも3倍ほど容量が大きくなります。CDデータはMP3の5倍程度の容量ですから、ハイレゾデータはMP3の15倍程度の容量になります。
10数曲入ったアルバム全体の場合、MP3なら100MB程度ですが、ハイレゾデータだと1.5GBぐらいになります。
ハイレゾ音源を楽しむにはパソコンが必須
iPhoneといった、モバイル機器でハイレゾ音源を利用する場合、このデータ容量が問題になってきます。
iPhone 7には最大256GBの容量のモデルがあり、これならハイレゾ音源のアルバムを100枚(150GB程度)入れてもまだ100GBほどの空きがあります。ただ、256GBのモデルは高価ですから、128GBのモデルや32GBのモデルを使っている人の方が多いでしょう。また、写真や動画など音楽データ以外のファイルも入っているでしょうから、容量をハイレゾ音源だけに使うわけにはいきません。
そうすると、ハイレゾ音源はより容量の大きいハードディスクを搭載したパソコンに保存しておき、そのとき聴きたい曲やアルバムをその都度iPhoneに入れて楽しむことになります。
また、ハイレゾ音源の入手はハイレゾ音源配信サイトからダウンロードして購入するのが一般的です。ただし、多くの配信サイトはダウンロード回数や期間に制限があります。Wi-FIを利用してiPhoneに直接ダウンロードすることはできますが、データが消失したときのために、パソコンにバックアップがあった方が安心です。
つまり、iPhoneでハイレゾ音源を楽しもうという場合は、パソコンが必須になるというわけです。