コンピューターやインターネットに触れる入り口といえば、かつてはパソコンが一般的でしたが、今はスマートフォンから入る人が多いのではないでしょうか。スマホ自体、かつてのパソコンを大幅に凌駕する性能を有していますし、誰でも(比較的)簡単に使えるようになっています。インターネットには繋がっているのが当たり前です。
当たり前に使えていると、なんとなくコンピューターやインターネットについても分かった・使いこなせている気になっていませんか?
スマホしか使っていないから、キーボードが使えない?
パソコンを使う上では絶対に避けて通れないキーボード入力ですが、スマートフォンならもっと簡易なフリック入力などが主流です。そのため、普段からSNSやブログなどでアクティブに活動しているような人でも、いざパソコンを使うとなると困ってしまうことも増えているようです。
SNSやブログならそれでも十分でしょうが、事務作業や論文執筆などといった本格的な作業には、まだまだパソコンが必要です。かつてのパソコン入門の定番であったキーボード入力の練習は、今でもまだ避けては通れません。
キーボードのホームポジションと各指の分担
OSが変われば使い方も変わる?
スマホでも、OSのメジャーバージョンアップであったり、機種変更で別のOSのスマートフォンに乗り換えたりすれば、これまでとは違う使い方を要求されることがあります。特に最近は、パソコンもスマホも自動的に更新がかかるようになっていますから、特定の使い方だけを学んでいても、ある日突然別の操作方法に変わってしまうことがあり得ます。
漠然と目の前の操作を行っているだけでなく、普段から自分が行っている操作の意味や意図を理解しようとしていれば、操作方法が変わってもすぐに新しい方法を習得することができるでしょう。
クラウドサービスを連携させることで解決する手も
あの作業はスマホのほうがやりやすいけど、この作業はパソコンのほうが捗る、みたいなこともありますよね。得意な作業はそれぞれ得意な機器で行ったほうが効率的です。
インターネットを介してデータを同期・共有するクラウドサービスを利用すれば、作業中のデータや素材をさまざまな機器で共有して利用することができます。例えば、キーボードがニガテなら、スマホで文章を作成してパソコンに同期することもできるでしょう。出先でメモがわりにスマホで撮ってきた資料をもとに、パソコンで書類を作成するようなことは当たり前に行っている人も多いかと思います。完成したデータもクラウドにおいてあれば、いちいちメディアを持ち歩かなくてもいつでも参照することができます。
講習会の資料もカメラで撮影
インターネットを使うルールやマナー
コンピューターやインターネットとはいっても、それを使っているのは人間です(今はBotやAIもたくさんいるでしょうが)。お互いにトラブルなく使うためのルールやマナーへの理解も欠かせません。
例えば著作権問題や名誉毀損などは、インターネットでよくトラブルになる原因の一つです。たとえあなたの手元のスマホに表示されている画像であっても、その著作権者は別の誰かです(ご自身で撮影された場合はともかく)。クローズドなチャットアプリであっても、その先にいるのは生身の人間です。人としての基本的な立ち振る舞いは意識したいものです。
おかげさまで第3版
本書『[改訂第3版]基礎からわかる情報リテラシー』は、特定のソフトの特定のバージョンの使い方を解説することを目的としたものではなく、基本的なコンピューターの使い方、考え方について解説した本です。初版から10年、多くのみなさまにご支持いただき、この度第3版となりました。
今回は昨今の情勢に合わせてスマホからコンピューターやインターネットに触れた層に配慮し、クラウドサービスについても触れています。また最終的にはRによるデータ処理についても取り上げており、“次に繋がる”構成となっています。ぜひお手に取ってみてください。