昨今、iPhone、Androidといったスマートフォン(スマホ)に搭載されているカメラの高性能化により誰でも手軽に動画の撮影を行えるようになりました。YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サービスの利用者は増え続けており、動画の配信をしてみたいというユーザーも増えています。また最近では、ユーチューバー(YouTuber)が中高生の将来就きたい職業の上位にランクインするなど、実況動画は動画の一ジャンルとしても定着してきた感があります。
スマホが普及する前は、動画の撮影のためにデジタルビデオカメラを用意する必要があり、動画の撮影自体が現在ほど手軽に行えるという状況にはありませんでした。また、撮影した動画は、DVDやBlurayなどの光学ディスクに保存し、友人や親戚などに配布するというユーザーが多くを占めていました。しかし、現在では、撮影した動画をDVDやBlu-rayに保存するというユーザーだけでなく、YouTubeやニコニコ動画などにアップロードして配信するというユーザーも多くみられ、動画の撮影目的や撮影した動画の利用方法も大きく変わってきています。
本格的な動画の編集ソフトといえば、アドビのPremire Proなどを思い浮かべる方も多いのでしょうが、Windowsプラットフォームでは、AviUtlというフリーのソフトも以前から親しまれてきました。
AviUtlは、KENくんという個人ユーザーによって開発された無料で利用できるWindows用のソフトです。Windows 7やWindows 8.1 Update、Windows 10などで利用できます。AviUtlの歴史は大変古く、最新バージョンが公開されたのは1997年11月で、以来、20年以上に渡って、多くのユーザーから支持されています。
YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サービスで公開されている動画の作成にもよく利用されています。気がつかないだけで、AviUtlで編集された動画を鑑賞したことがあるユーザーは多いのではないでしょうか。
AviUtlの人気の秘密は、個人が作成した無料のソフトとは思えないほど、豊富な編集機能を搭載していることです。搭載機能は、市販の動画編集ソフトと比較しても遜色なく、一般的に利用頻度の高い動画の編集機能は、ほぼすべて網羅されています。市販のソフトで行えることのほとんどをAviUtlで行えます。
正確に言うと、AviUtlは本来シンプルなソフトなのですが、拡張性を考えた設計になっていて、各種プラグインをインストールすることで、高機能化を実現しています。
そのため、市販の動画編集ソフトとは異なり、至れり尽くせりといった設計になっていません。使ってみたいが、難しそうという理由から敬遠しているユーザーも多いかもしれません。実際に、AviUtlは、インストール作業から手動で行う必要があり、初心者の方にとっては、使い始める時点から若干の敷居の高さがあるのも事実です。
『AviUtl 動画編集 実践ガイドブック』では、誰でも問題なくAviUtlを利用できるように、インストールの方法から最初に行っておくと便利な初期設定までを、チュートリアル形式で丁寧に解説しています。また、実際に動画編集において利用頻度が高い編集機能を中心に選び解説しているので、動画編集初心者の方でもとまどうことなく操作に慣れていくことができるはずです。
さらに、近年増加している動画の配信を行ってみたいというユーザー向けに、スマホゲームの実況動画の作成法についても解説しています。
一見とっつきにくいAviUtlですが、本書片手に、動画編集、実況動画製作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。