3Dドットモデリングとは?
ドット絵をご存じですか? ピクセル(Pixel)単位で色を施して並べることにより描かれた絵です。このピクセルをボクセルに置き換えて3Dキャラクターなどを制作するのが「3Dドットモデリング」です。モデリング操作は小さな箱を積み上げていくだけの、とてもシンプルなものです。ちなみにボクセル(Voxel)とは、体積を表すVolumeの「Vo」とPixelの「xel」を掛け合わせた造語。ボクセルを使うことから、「ボクセルモデリング」と言われることもあります。
ボクセルでデザインされたゲームにはMinecraftやCrossy Roadなどの名作も多く、「あんなゲームを作ってみたい!」と思っている電脳会議の読者もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。7月の新刊『まるごとわかる 3Dドットモデリング入門』では、「ゲーム内で使う各種のリソースを準備するのが難しくて、ゲーム制作がなかなか進まない……」という方に向けて、MagicaVoxelというボクセルモデリングソフトを使ったキャラクターやゲームステージの作成方法を解説しています。
本稿では、その中から一部を抜粋して、キャラクターづくりのポイントを紹介していきましょう。
目のデザインで表情のパターンが作れる
たった2ボクセル、もしくは4ボクセルの色の組み合わせだけで、顔や表情のバリエーションが作成できます。次の図をご覧ください。とぼけた顔から無表情まで、シンプルながらもキャラクターの印象をうまく表すことができているのではないでしょうか。
おとぼけキャラ
無の境地を極めたキャラ
ポーカーフェイスのキャラ
キラキラした目のキャラ
アメリカのTVアニメ風キャラ
さらに髪型を組み合わせれば
千差万別のキャラクターを生み出せる
ゲームキャラのモデリングで注意すること
本書ではゲームにインポートするキャラクターモデルのボーン設定に、AdobeのWebサービス「mixiamo」を使用します。mixiamoに限りませんが関節を設定するにあたり、3Dドットモデリングによるキャラクター制作時に気をつけなければならないことがあります。ボクセルとボクセルがくっついていると、動いてはいけない人体や洋服のパーツの形が崩れてしまいます。次の図は、髪の毛のパーツと腕のパーツのボクセル同士が接しているため、手を振ると髪型や顔のモデルまでがゆがんでしまった例です。身体のパーツだけでなく、スカートと身体の間も離してボクセルを配置するなど、制作の際にはちょっとしたコツがあります。
髪の毛と腕を構成する
ボクセルが接している
歩行アニメーションを実行すると
ゆがんでしまう
スカートの内側のモデリング例
『まるごとわかる 3Dドットモデリング入門』では、ソフト操作の基本からキャラクター制作のコツまで“痒いところに手が届く”解説をしています。3Dドットモデリングに興味をもったら、ぜひ読んでみてください。