インバウンド増加の影響
突然ですが、「インバウンド」という言葉を聞いたことがありますか? 最近はニュースや新聞で見聞きするようになった、という人も多いかもしれません。
この「インバウンド」とは、「仕事や観光で自国にやってくる外国人たち」のことを指します。もともとインバウンド(inbound)とは、「外から入ってくる、内向きの」という意味がある英単語で、それが転じて外国からの旅客を指すようになりました。
現在、日本に旅行でやってくる外国人は増加の一途をたどっています。このインバウンドは、今日本の経済にとって注目されている存在です。なぜなら、日本の人口そのものは少子化などの影響で減少の傾向にあり、経済活動も縮小が見込まれます。そんな中で、海外からやってきて、宿泊や飲食、娯楽、買物などにお金を使ってくれる訪日外国人の経済効果は大きなものだからです。最近は、「日本ツウ」な外国人も増え、メジャーな観光地以外にもさまざま地域に足を運ぶ人も多いため、地方の活性化への効果も期待できるのです。
対応するサービスってどんなもの?
そうすると売上アップを期待して、「自分のお店にも訪日外国人の人達に来てもらいたい!」「自社の商品をお土産に買っていってもらいたい!」と思う人も多いでしょう。けれどいざ始めてみようと思っても、言葉や文化の違いがあってハードルを高く感じてしまうかもしれません。
しかし、実際にはそれほど気負う必要はないのです。まずは自社の商品やサービスのどんなところを訪日外国人にアピールしたいか考えましょう。たとえば、雪や紅葉、桜といった四季の雰囲気が伝わる商品であるとか、インスタグラムなどのSNSで映えそうな華やかな見た目の商品であるとかいった特徴です。商品以外でも、日本の伝統文化が味わえるような体験サービス、訪日旅行の際に便利なサービスなども人気が出るでしょう。
ターゲットの把握は重要
自社の商品・サービスのアピールポイントを把握したら、今度は具体的にどんな人がターゲットになるかを考えてみましょう。どこに住んでいる人なのか、男性か女性か、若い人向けか大人向けか、といった条件だけでなく、流行に敏感な人におすすめしたいのか、アクティブな人におすすめなのか、など趣味嗜好やライフスタイルからも絞ることができます。
そういった特徴は、国籍ごとにも大きな違いがあります。国籍ごとの文化や考え方の傾向、どれくらいの期間日本に滞在するのか、何にもっともお金を使うのか、といったことを把握して、自社はどのような国籍の人達をメインのターゲットにするか検討することはとても重要です。
おもてなしの「心」
ターゲットをある程度絞ったら、その人達が実際に来店したりサービスを利用したりするときに、困ることがないように受入体制を整えましょう。しかし、流暢な外国語が喋れるとか、外国人人材を雇用するとかいったことが必須な訳ではありません。写真付きのメニューを用意してそこに外国語でかんたんな説明を添えたり、店内に案内を掲示したりするだけでも充分役に立ちます。また、決済方法も、現金払いだけでなく、クレジットカードや海外で普及している電子マネー決済などに対応しておくことが重要です。飲食店では、ベジタリアンの人達や宗教によって食べられないものがある人達への対応をできるかどうかも、わかりやすく掲示しておくと親切です。
何よりも大切なのは、「楽しんでもらおう」というおもてなしの心を持って接することです。その態度が見えるだけでも、旅行に来た外国人観光客にとっては、よい思い出となるでしょう。また、彼らが旅行の思い出をSNS等に投稿してくれれば、それが拡散されて新しい人達を呼び込むことも繋がっていきます。
このようなインバウンド対策の基礎知識や各国籍の主だったデータを集めたのが、『スピードマスター 1時間でわかる インバウンド対策』です。「訪日外国人を集客したいけど、どうしたらいいんだろう?」という人にまず読んでほしい、初心者にぴったりの内容です!
2020年のオリンピック開催に向けて、今後はますます訪日外国人観光客が増えていくことでしょう。ぜひこの機会に、彼らをおもてなししてみませんか!